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かつては休み明けの馬が好走しないレースとして知られていたが、2018年のアーモンドアイ、2019年のクロノジェネシス、2020年のデアリングタクト、2021年のアカイトリノムスメと、4年続けてオークスからの直行組が制しており、状況が変わりつつある。いわゆる“ぶっつけ”で使われる馬を、過度に嫌う必要はなくなってきた印象だ。それでも順調に使われてきている組の勢いは衰えておらず、主要ステップは数多くの好走馬を輩出しているローズS、そして2016年に重賞へ格上げされた紫苑Sだ。後者は2016年にワンツーフィニッシュを決めて以降、毎年のように上位進出。前者も2016年にローズS3着のカイザーバルが8番人気の低評価を覆して3着に奮闘。2019年にはローズS4着のシゲルピンクダイヤが10番人気ながらも3着に食い込むなど、人気不問の活躍を見せている。今後もローズSと紫苑Sが重要ステップの役割を担うことは間違いない。舞台となる京都芝2000mはトリッキーなコースとして有名で、予想外の波乱が起こるケースもある。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)※2022年は阪神・芝2000mで行われます
【人気】
以前は荒れるG1として定評の高かった秋華賞だが、近年は上位人気馬の活躍が目立ち、平穏に終わるケースも増えてきた。もっとも、大波乱となった2008年のように、時に突拍子もない荒れ方をするのもこのレースの大きな特徴。ゆえに、伏兵に対する警戒が怠れないのと同時に、1番人気の取捨がポイントになる。2007年以降、1番人気は5勝とやや物足りない成績だが、勝利した5頭はいずれもオークス馬。とりわけ2015年の優勝馬ミッキークイーンは、秋華賞創設以来未勝利で、2着も1回しかなかった大外18番枠を克服しての勝利だった。オークス馬が1番人気の場合は、逆らわないほうが賢明かもしれない。一方で、別表を見ると、2番人気の成績が非常にいい。1番人気の馬が信用に足りないケースでは、2番人気を中心に馬券を組み立てるのもひとつの作戦だ。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人 | 6-3-3-8 | 30.0% | 45.0% | 60.0% | 52.0% | 70.0% |
2人 | 7-4-1-8 | 35.0% | 55.0% | 60.0% | 117.0% | 93.0% |
3人 | 4-2-2-12 | 20.0% | 30.0% | 40.0% | 139.5% | 85.0% |
4人 | 2-2-2-14 | 10.0% | 20.0% | 30.0% | 79.0% | 84.0% |
5人 | 0-4-2-14 | 0.0% | 20.0% | 30.0% | 0.0% | 99.0% |
6~9人 | 0-4-6-70 | 0.0% | 5.0% | 12.5% | 0.0% | 57.0% |
10人~ | 1-1-4-169 | 0.6% | 1.1% | 3.4% | 17.1% | 67.3% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.0~ 1.9倍 |
4-2-1-2 | 44.4% | 66.7% | 77.8% | 56.7% | 83.3% |
2.0~ 2.9倍 |
3-1-2-2 | 37.5% | 50.0% | 75.0% | 95.0% | 90.0% |
3.0~ 4.9倍 |
5-1-0-8 | 35.7% | 42.9% | 42.9% | 115.0% | 63.6% |
5.0~ 7.9倍 |
5-4-2-9 | 25.0% | 45.0% | 55.0% | 148.5% | 110.5% |
8.0~ 14.9倍 |
2-6-3-23 | 5.9% | 23.5% | 32.4% | 55.9% | 95.9% |
15.0~ 19.9倍 |
0-3-1-20 | 0.0% | 12.5% | 16.7% | 0.0% | 56.7% |
20.0~ 49.9倍 |
1-2-7-77 | 1.1% | 3.4% | 11.5% | 34.4% | 56.1% |
50.0倍~ | 0-1-4-154 | 0.0% | 0.6% | 3.1% | 0.0% | 68.4% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 1,010円 | 130円 | 507円 |
複勝 | 2,260円 | 110円 | 342円 |
枠連 | 2,580円 | 230円 | 1,132円 |
馬連 | 3,550円 | 250円 | 1,766円 |
ワイド | 9,820円 | 150円 | 1,925円 |
馬単 | 6,170円 | 300円 | 3,175円 |
3連複 | 50,030円 | 1,940円 | 14,051円 |
3連単 | 233,560円 | 3,660円 | 59,299円 |
【脚質】
過去のデータを振り返ると、脚質面では中団待機勢がやや優勢。勝率、連対率、複勝率のいずれも中団待機勢がトップとなっており、「差し有利」のレースであることは間違いない。一方、後方待機の追い込みタイプは信用しづらく、2007年のウオッカ、2009年のブエナビスタと、ともに1番人気の支持を集めながら3着(ブエナビスタは2位入線降着)に敗れたことは記憶に新しい。また、逃げ馬も分が悪く、過去の優勝馬は2007年のダイワスカーレット1頭しかいない。ただし、ダイワスカーレットは1コーナーをヒシアスペン(18着)と併走のかたちで進入し、道中は番手を追走して、4コーナー手前で先頭に立ったもの。従って、純然たる逃げでの勝利は皆無と考えても差しつかえない。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 1-2-1-20 | 4.2% | 12.5% | 16.7% | 11.7% | 280.8% |
先行 | 3-4-4-56 | 4.5% | 10.4% | 16.4% | 19.6% | 49.3% |
差し | 15-10-14-120 | 9.4% | 15.7% | 24.5% | 54.4% | 82.3% |
追込 | 1-4-1-99 | 1.0% | 4.8% | 5.7% | 4.8% | 17.3% |
【枠順】
正面スタンド前から発走して内回りコースを約1周する形態で、最初のコーナーまでの距離は短め、かつ4つのコーナーを回るトリッキーなコース。となれば内枠が有利になりそうなものだが、なにしろ気性的に包まれることを嫌がるタイプが多い牝馬限定戦。混合戦とは違い、「内枠=優勢」の方程式は必ずしも成り立たない。とくに有利と言われがちな1枠を引いた場合、別表にあるように連対率と複勝率がソコソコの反面、複勝回収率はガクンと落ちる。このレースに限って言えば、枠の有利不利は少ないと認識して構わない。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0-4-2-33 | 0.0% | 10.3% | 15.4% | 0.0% | 49.0% |
2枠 | 2-2-4-31 | 5.1% | 10.3% | 20.5% | 84.6% | 63.8% |
3枠 | 3-1-3-33 | 7.5% | 10.0% | 17.5% | 50.5% | 70.8% |
4枠 | 1-2-1-36 | 2.5% | 7.5% | 10.0% | 15.8% | 29.8% |
5枠 | 1-3-1-35 | 2.5% | 10.0% | 12.5% | 6.3% | 29.0% |
6枠 | 5-2-3-30 | 12.5% | 17.5% | 25.0% | 49.8% | 57.0% |
7枠 | 5-2-5-46 | 8.6% | 12.1% | 20.7% | 24.3% | 188.8% |
8枠 | 3-4-1-51 | 5.1% | 11.9% | 13.6% | 19.3% | 36.3% |
【血統】
このレース、とくに良馬場時はディープインパクト産駒を抜きにしては語れない。2012年以降、ジェンティルドンナを手はじめに、ショウナンパンドラ、ミッキークイーン、ヴィブロスが優勝。2着にも3頭が入っており、同産駒は5年連続して連対を記録。2017年は不発に終わったが、2018年はミッキーチャームが2着、カンタービレが3着、2019年はカレンブーケドールが2着。2020年はマジックキャッスルが2着、ソフトフルートが3着。2021年はアカイトリノムスメが1着と、さすがの強さを見せつけている。ほかでは、父もしくは母の父にミスプロ系の種牡馬を持つ馬が強く、該当馬の少なかった2019年を除き、2010年以降は人気の有無にかかわらず、最低1頭は複勝圏内に食い込んでいる。なかでも、キングマンボ系は特注とも言える存在で、2012年3着アロマティコ(父キングカメハメハ・6番人気)、2013年3着リラコサージュ(母の父キングマンボ・15番人気)、2015年3着マキシマムドパリ(父キングカメハメハ・8番人気)、2017年3着モズカッチャン(母の父キングカメハメハ・5番人気)、2020年3着ソフトフルート(母の父キングマンボ・9番人気)、2021年1着アカイトリノムスメ(母の父キングカメハメハ・4番人気)のように、人気を上回る好走があとを絶たない。好配当ゲットを目論む競馬ファンには、もってこいの血筋と言えよう。
◆同コース種牡馬別成績(阪神/芝2000m/過去5年)
(集計期間:2017/10/10~2022/10/10)
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディープインパクト | 37-32-30-157 | 14.5% | 27.0% | 38.7% | 97.3% | 76.1% |
2 | ハーツクライ | 21-14-16-136 | 11.2% | 18.7% | 27.3% | 64.0% | 58.6% |
3 | キングカメハメハ | 17-13-8-67 | 16.2% | 28.6% | 36.2% | 97.5% | 97.7% |
4 | ルーラーシップ | 14-12-16-89 | 10.7% | 19.8% | 32.1% | 103.2% | 95.0% |
5 | ハービンジャー | 13-9-20-99 | 9.2% | 15.6% | 29.8% | 74.9% | 73.6% |
6 | キズナ | 10-10-8-56 | 11.9% | 23.8% | 33.3% | 114.4% | 95.8% |
7 | オルフェーヴル | 10-8-10-74 | 9.8% | 17.6% | 27.5% | 58.8% | 62.2% |
8 | ロードカナロア | 8-7-4-46 | 12.3% | 23.1% | 29.2% | 56.6% | 65.5% |
9 | ドゥラメンテ | 7-8-6-26 | 14.9% | 31.9% | 44.7% | 68.9% | 146.4% |
10 | エピファネイア | 4-11-4-40 | 6.8% | 25.4% | 32.2% | 105.8% | 73.1% |