ラップギアコース適性値【瞬６平４消０】に近い比率の馬が有利
番馬名　　　【ラップギア】瞬発指数
01レッドモン【瞬６平２消０】１１０
02ソーヴァリ【瞬４平３消０】１１１
03ソールオリ【瞬４平１消０】１１０
04ジオグリフ【瞬３平１消０】１１０
05ヒシイグア【瞬５平５消１】１１１
06イルーシヴ【瞬３平５消０】１０７
07ドーブネ　【瞬７平１消０】１０７
08マテンロウ【瞬７平１消０】１０６
09エルトンバ【瞬３平４消０】１１２
10ラーグルフ【瞬４平２消０】１０７
11タイムトゥ【瞬３平１消０】１００
12ボーンディ【瞬３平４消０】１００
13マイネルク【瞬５平４消０】１０４
14エエヤン　【瞬１平２消０】１０３
15テーオーシ【瞬０平１消４】　９７
16ホウオウリ【瞬２平５消０】　９９



　今年も始まる、中山１８００メートル重賞の短期集中 大特集。今週の中山記念を皮切りに、２週後には中山牝馬Ｓ、さらにはフラワーカップ、スプリングＳと同コースの芝重賞が続きまして、最後にダート１８００ｍのマーチＳ。都合１か月の間に同距離の重賞が５つ施行され、その次はおそらく来年の中山記念ということに なるのでしょう。

　まずは現役屈指の中山巧者が集い、前年の好走馬が繰り返し出走するイメージの中山記念。まずは2000年以降、中山記念の出走馬、延べ258頭を該当レース前に"中山競馬場で勝ち鞍を持っていた馬" と "中山勝ち鞍を持っていなかった馬" で2つに分けてみましょう。

勝鞍有　194戦【19-13-13-149】勝率10%　単勝回収率 82%
勝鞍無　117戦【 5-11-11- 90】勝率 4%　単勝回収率 20%
合計数　311戦【24-24-24-239】勝率 8%　単勝回収率 59%

　たしかにその認識は間違ってはいません。やはり "中山競馬場に勝ち鞍を持っていた馬" の優位は明らかです。

　しかし さすがに "中山巧者が集う 中山記念" だけあって、出走馬の2/3ほどが中山競馬場勝ちの条件をクリアしており、これだけでは有用なデータとは言えませんね。そこでもうひと要素、ここからさらに該当レース前に "東京競馬場で勝ち鞍を持っていた馬" と "東京勝ち鞍を持っていなかった馬" の2つに分けてみましょう。

勝鞍有　127戦【16- 6-10- 90】勝率13%　単勝回収率118%
勝鞍無　 67戦【 3- 7- 3- 54】勝率 5%　単勝回収率 15%
勝鞍有　194戦【19-13-13-149】勝率10%　単勝回収率 82%

　このレベルのGIIを勝ち切るには、中山適性だけでは不十分であり、東京競馬場でも勝てるぐらいの能力や多様性が求められていることが分かります。中山記念というレース自体、スローペースになりやすいことも影響しているのでしょう。

　これら2つの調査を統合し、該当レース前に "中山と東京競馬場共に勝ち鞍を持っていた馬" と "中山と東京競馬場共に勝ち鞍を持っていなかった馬" に分類した結果、下記のようなデータが抽出されることになりました。これならかなり有用なデータが精製できたと言っても良いのではないでしょうか。

勝鞍有　127戦【16- 6-10- 90】勝率13%　単勝回収率118%
勝鞍無　184戦【 8-18-14-144】勝率 4%　単勝回収率 18%
合計数　311戦【24-24-24-239】勝率 8%　単勝回収率 59%

　そこで今年の中山記念出走馬16頭を一覧してみたところ、前者に分類されるのは
(１)レッドモンレーヴ
(３)ソールオリエンス
(４)ジオグリフ
(５)ヒシイグアス
(10)ラーグルフ
(12)ボーンディスウェイ
の6頭であり、後者に分類されるのは下記の10頭。
(２)ソーヴァリアント
(６)イルーシヴパンサー
(７)ドーブネ
(８)マテンロウスカイ
(９)エルトンバローズ
(11)タイムトゥヘヴン
(13)マイネルクリソーラ
(14)エエヤン
(15)テーオーシリウス
(16)ホウオウリアリティ

　ちなみに "中山と東京競馬場どちらにも勝ち鞍のない馬" は2000年以降58戦【1-3-5-49】勝率2%　単勝回収率3%と、散々な成績になっています。2018年の1番人気5着ペルシアンナイトや3番人気8着ヴィブロスをはじめ、トゥザグローリー、レッドデイヴィス、リーチザクラウン、リルダヴァルなどの人気馬を多数そろえても1勝どまり(2004年のサクラプレジデント)というのは、これも特筆に値するデータなのかも知れません。今年は(７)ドーブネと(８)マテンロウスカイの2頭がこれに該当します。


ということでして、本命は中山記念３連覇を目指す(５)ヒシイグアス。前年も◎を打った(５)ヒシイグアスです（５番人気１着）。いつの間にか８歳になってしまった同馬ですが、前走も香港のＧ１・３着で健在ぶりをアピール。プログノーシスに先着したことは もちろん、内か外かの選択で狭い内を割ってROMANTIC WARRIORにギリギリまで迫ったレース振りは さすが としか言えますまい。今の中距離で、ROMANTIC WARRIORを相手に ここまでの競馬ができる現役馬が何頭いるか という話ですよ。昨年メンバーよりも層が厚い今年の中山記念ですが、レースセンスも含めた総合力は今年も(５)ヒシイグアスが一番だと思います。

２０２２年 宝塚記念２着のあとに重度の熱中症を患ってしまい、一時期は静養・休養どころか生死の境を彷徨っていたとも聞く(５)ヒシイグアスですが、そんなことを微塵も感じさせない現在の姿。陣営の 弛まぬ努力と、不屈の闘志を持つ８歳馬に敬意を表します。


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※【ラップギア】とは、各レースラップのラスト４ハロンのみに注目した適性分析です。ＪＲＡ発表のラップタイムを一定の公式に当てはめ、誰でも簡単に算出することができます。数値が大きければ良いというものではなく、コース適性値と“比率”の近い馬が有利だと考えられます。

※　瞬発指数は、“走破タイム”を一切考慮せず、ラップタイムを一定の公式に当てはめて算出した競走馬の能力値です。数値は全階級に対しての絶対値であり、下限70～上限130辺りだと考えられます。競走馬の能力は変動相場であり、１走ごとに変化します。