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サマー2000シリーズ第3戦・小倉記念が4日、小倉競馬場で13頭によって争われ、川田騎乗で1番人気のメールドグラースが、大外から力強く差し切って重賞3連勝。今後は未定ながら、今秋の大舞台に向けて弾みをつけた。2着には6番人気のディープインパクト産駒カデナが入った。
猛烈な暑さの小倉で、実りの秋へ確かな手応えをつかんだ。メールドグラースが大外から突き抜けて重賞3連勝。額には大粒の汗が光っていたが、川田騎手の表情は涼しげだった。
「馬群が密集していたので(最後は)外に出すしかなかったですが、ここまで4連勝中で馬が自信を持って走っていました。楽な競馬ではなかったですが能力で勝てたレースだったと思います」
スタートのタイミングが合わず、道中は中団後方で構えた。勝負どころからエンジンをふかして直線に向くと、鞍上のアクションに呼応してグングン加速。トップハンデの57・5キロをものともせず、力でねじ伏せるように差し切った。これで新潟大賞典、鳴尾記念に続いて芝2000メートルのGIIIで3連勝。今年1月6日の1000万下(現2勝クラス)戦からの連勝を5に伸ばし、充実ぶりを見せつけた。
清水久調教師は「本当に強いですね。川田騎手が競馬を教えてくれて、しっかり動かしてくれています。精神的にも、走ることだけに集中できるようになっていますね」と目を細めた。今後は未定ながら、天皇賞・秋(10月27日、東京、GI、芝2000メートル)などの大舞台が視野に入る。中距離路線は昨年の年度代表馬アーモンドアイなど強敵がひしめいているが、そこに割って入れるだけの力をつけているのは間違いない。
「このまま無事に行ってくれれば、ということだけです。秋が楽しみですね」とトレーナーは笑顔で結んだ。ディープインパクトの急死で、過渡期を迎える競馬界。新時代の主役を担うのは、この馬かもしれない。 (川端亮平)
◆小倉記念の表彰式プレゼンターを務めたJRA年間プロモーションキャラクターの女優・葵わかな 「小倉競馬場に来たのは初めてでしたが、とても綺麗で自然の山々とも調和してのんびりとした雰囲気の中で競馬を楽しむことができました。馬券は私が6月生まれなので、同じ6枠の(8)番メールドグラースで勝負して予想的中しました」
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メールドグラース 父ルーラーシップ、母グレイシアブルー、母の父サンデーサイレンス。黒鹿毛の牡4歳。栗東・清水久詞厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績17戦7勝。獲得賞金1億8346万8000円。重賞は2019年のGIII新潟大賞典、GIII鳴尾記念に次いで3勝目。小倉記念は清水久詞調教師、川田将雅騎手ともに初勝利。馬名は母名よりの連想で「フランスのメール・ド・グラース氷河」