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位置付けは秋の中距離王決定戦。だが近年は、レースの性格が変化してきている。というのも、このレースが目標の馬だけでなく、ここをステップにジャパンCや有馬記念、あるいは香港へ向かう実績馬が出走してくるからだ。セオリーとしては秋に一度実戦を使われたこのレース目標の馬を狙うべきだが、休み明けで目標が先であっても能力でカバーしてしまう馬も珍しくなくない。それゆえ予想にあたっては、能力や適性、さらに仕上がりなどを総合的に評価する必要がある。これに加えて予想を難しくさせているのが、舞台となる東京芝2000mコースだ。2003年のコース改修で以前に比べればマシになったものの、1コーナー奥のポケットにゲートが置かれ、2コーナーまでは100m強しかない。外枠の先行馬にとっては大きな不利となるほか、スタート直後にゴチャつきやすいコース設計であることには変わりない。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
【人気】
1位入線失格となった1991年メジロマックイーンを含め、1988年から1番人気が12連敗したこともあったが、2007年以降では8勝。しかも2011年のブエナビスタ(4着)、2018年のスワーヴリチャード(10着)を除いて3着以内を確保しており、軸としては信頼できる。他には2012年からエイシンフラッシュ、ジャスタウェイ、スピルバーグと3連勝するなど、2009年以降で5番人気が4勝。その全4頭が前走毎日王冠を叩いてのローテであった。なお、10番人気以下で2着連対したのは2015年2着のステファノス(10番人気)しかいない。同馬は2走前に香港・クイーンエリザベス2世Cで2着に入っており、評価が低すぎた感もある。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人 | 10-4-2-4 | 50.0% | 70.0% | 80.0% | 135.0% | 104.5% |
2人 | 1-5-5-9 | 5.0% | 30.0% | 55.0% | 15.5% | 95.5% |
3人 | 2-1-2-15 | 10.0% | 15.0% | 25.0% | 49.5% | 44.0% |
4人 | 1-2-1-16 | 5.0% | 15.0% | 20.0% | 35.0% | 49.5% |
5人 | 4-2-0-14 | 20.0% | 30.0% | 30.0% | 273.0% | 81.5% |
6~9人 | 1-4-7-68 | 1.3% | 6.3% | 15.0% | 41.6% | 72.8% |
10人~ | 1-2-3-148 | 0.6% | 1.9% | 3.9% | 49.2% | 33.1% |
◆単勝オッズ別成績(過去20年)
オッズ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.0~ 1.9倍 |
2-0-0-0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 150.0% | 110.0% |
2.0~ 2.9倍 |
4-3-3-2 | 33.3% | 58.3% | 83.3% | 87.5% | 102.5% |
3.0~ 4.9倍 |
6-4-5-9 | 25.0% | 41.7% | 62.5% | 83.3% | 95.0% |
5.0~ 7.9倍 |
2-2-2-20 | 7.7% | 15.4% | 23.1% | 51.9% | 51.2% |
8.0~ 14.9倍 |
2-5-4-28 | 5.1% | 17.9% | 28.2% | 57.7% | 79.7% |
15.0~ 19.9倍 |
2-2-1-17 | 9.1% | 18.2% | 22.7% | 145.9% | 84.5% |
20.0~ 49.9倍 |
1-4-3-75 | 1.2% | 6.0% | 9.6% | 40.1% | 65.9% |
50.0倍~ | 1-0-2-123 | 0.8% | 0.8% | 2.4% | 60.2% | 23.2% |
◆配当(過去10年)
馬券種 | 最高配当 | 最低配当 | 平均配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 1,660円 | 140円 | 627円 |
複勝 | 600円 | 110円 | 224円 |
枠連 | 1,850円 | 220円 | 988円 |
馬連 | 7,340円 | 390円 | 2,204円 |
ワイド | 4,620円 | 170円 | 993円 |
馬単 | 10,390円 | 850円 | 4,159円 |
3連複 | 24,850円 | 350円 | 6,675円 |
3連単 | 109,310円 | 2,040円 | 31,341円 |
【脚質】
東京芝コースの肝と言えばやはり最後の直線。緩やかな3~4コーナーを回ると525mの長い直線に高低差約2mの上り坂が待ち構えている。さすがにこの直線を逃げ残ることは容易ではなく、2007年以降で3着以内に入ったのは2008年のダイワスカーレット(2着)、2018年のキセキ(3着)、2019年のアエロリット(3着)と数えるほど。逃げて連勝中だった2013年トウケイヘイロー、2016年エイシンヒカリとも着外に敗れている。一方、先行勢は2012年フェノーメノ(2着)、2013年ジェンティルドンナ(2着)、2014年ジェンティルドンナ(2着)、イスラボニータ(3着)と惜敗を繰り返していたが、2015年からラブリーデイ、モーリス、キタサンブラックと3連勝し、2019年と2020年はともにアーモンドアイが好位追走から勝利を収めている。不良馬場だった2017年のキタサンブラックを除くと、いずれも上がり3F33秒台の脚を使って後続勢を抑え込んでの勝利だった。ただし、これはどの馬にもできる芸当ではないので、狙いの中心はやはり差し馬ということになろう。よほど位置取りが後ろでなければ、武器である瞬発力で勝ち負けになる。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 0-1-2-17 | 0.0% | 5.0% | 15.0% | 0.0% | 35.0% |
先行 | 6-7-4-58 | 8.0% | 17.3% | 22.7% | 28.5% | 65.6% |
差し | 14-9-9-114 | 9.6% | 15.8% | 21.9% | 129.7% | 75.4% |
追込 | 0-3-5-85 | 0.0% | 3.2% | 8.6% | 0.0% | 19.2% |
【枠順】
スタートしてすぐにコーナーを迎えるだけに、当然ながら8枠が不利。とくに先行馬にとってはポジション取りまでの距離損が大きい。ちなみに8枠が最後に勝ったのは2003年のシンボリクリスエスで、ハイペースを利した差し馬であった。これに対して7枠から内目は、どの枠も複勝率の面で8枠を上回っている(過去20年)。うち3枠だけは2003年のコース改修後、長らく連対馬が出ていなかったが、2021年にエフフォーリアが優勝。“死に目”から脱出している。少なくとも、”3枠だから”という理由だけで割り引く必要はない。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 4-5-1-27 | 10.8% | 24.3% | 27.0% | 223.0% | 87.0% |
2枠 | 2-2-1-33 | 5.3% | 10.5% | 13.2% | 59.2% | 58.9% |
3枠 | 1-0-4-32 | 2.7% | 2.7% | 13.5% | 9.2% | 38.4% |
4枠 | 5-4-4-26 | 12.8% | 23.1% | 33.3% | 81.0% | 87.7% |
5枠 | 1-5-1-33 | 2.5% | 15.0% | 17.5% | 9.0% | 52.5% |
6枠 | 2-1-3-33 | 5.1% | 7.7% | 15.4% | 127.9% | 71.5% |
7枠 | 4-3-2-41 | 8.0% | 14.0% | 18.0% | 29.0% | 42.2% |
8枠 | 1-0-4-49 | 1.9% | 1.9% | 9.3% | 5.0% | 20.7% |
【血統】
ディープインパクトを筆頭にサンデーサイレンス系が優勢の東京芝2000m。だがこのレースに関しては、ディープインパクト産駒が1勝、2着8回と取りこぼしが目立っている。ディープインパクト以外では、2013年にハーツクライ産駒のジャスタウェイが1着となったほか、フジキセキ、ステイゴールド、ゼンノロブロイなどの産駒が活躍しているものの散発の感が強い。そこで注視したいのがトニービンの内包馬。2009年カンパニー(父ミラクルアドマイヤ)、2011年トーセンジョーダン(父ジャングルポケット)と父系で2勝しているほか、2013年1着ジャスタウェイ、2015年1着ラブリーデイ、2021年1着エフフォーリアは4代内にトニービンを保持していた。
◆同コース種牡馬別成績(東京/芝2000m/過去5年)
(集計期間:2017/10/23~2022/10/23)
位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 | 複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ディープインパクト | 33-37-33-182 | 11.6% | 24.6% | 36.1% | 37.5% | 64.6% |
2 | ハーツクライ | 18-22-17-127 | 9.8% | 21.7% | 31.0% | 54.1% | 61.3% |
3 | キングカメハメハ | 17-9-5-65 | 17.7% | 27.1% | 32.3% | 72.6% | 59.1% |
4 | モーリス | 10-6-4-15 | 28.6% | 45.7% | 57.1% | 110.9% | 126.9% |
5 | ハービンジャー | 9-11-16-88 | 7.3% | 16.1% | 29.0% | 43.4% | 69.1% |
6 | エピファネイア | 9-5-4-37 | 16.4% | 25.5% | 32.7% | 151.3% | 60.0% |
7 | スクリーンヒーロー | 8-3-4-30 | 17.8% | 24.4% | 33.3% | 362.0% | 183.6% |
8 | ロードカナロア | 6-10-10-38 | 9.4% | 25.0% | 40.6% | 31.4% | 90.6% |
9 | オルフェーヴル | 6-7-9-53 | 8.0% | 17.3% | 29.3% | 81.7% | 85.5% |
10 | キズナ | 6-5-2-29 | 14.3% | 26.2% | 31.0% | 279.0% | 107.1% |