上位三頭が人気を集める、いわゆる三つ巴の状況になっている今年の秋天。

　今年の古馬中距離路線は、3歳馬が混ざってこないと、頑張って見繕ってもこれが限界。ワグネリアンの回避は残念だった。有力マイラーも、マイルＣＳから香港のローテ。ペルシアンナイトが出てきていたらもうちょっと見栄えが良くなっていたような気がする。

　それはさておき、府中の予想が簡単なようで難しいのは、隠れた適性を発揮される、させやすい舞台だからだ。
　日本の競馬場は概ね、小回りで直前距離が400ｍ前後。さらに、スローペース症候群があいまって、瞬発力性能も問われる。
　ということは、運動神経がよいタイプが有利であるということになる。不器用で競馬が下手な馬は、なかなか思うように結果を出せない。しかしそういうタイプが府中で好走して穴をあけ高配当をもたらす。
　逆に言うと、不器用なため結果を出せていない馬を探せば良いと言うこと。それは走り方（走法）はもちろん、性格面においても。
　小回りだと狭い間を割って入らないといけない場合が多い。厚かましい性格をしていないと結構なストレスが掛かる。

　キセキがそう。本当に不器用で、細かい動きが苦手。時計が掛かる馬場で力任せに突き進むとか、直線の長いコースで頑張ってまっすぐ走るとか、そういうのが得意。よって今回の舞台は合う。
　
　同じくダンビュライト。形から言うと、中距離指向のマイラーで、府中の２０００ｍとか１８００ｍをまっすぐ走らせてあげたくなるタイプ。ダービーの走りからも、左回りのほうが伸びやか。
　当然宝塚記念や有馬記念のようなタフな状況は向いていない。大阪杯も器用さが問われるためやはり向いていなかった。
　性格的にも、馬群が密集しやすい小回りがダメ。このところチークピースを外して、多少成長しているようだが、それでも気にしながら走っている。武騎手にむちゃくちゃ気を遣わせる馬だから、よっぽど難しいのだろう。
　また、ここ２戦、デキもさほど良くなかった。秋一度使って中間放牧にだされて良いように変わってきているはず。
　逃がせば持ち味がでてくるのだろうけど、そこも性格上難しいかもしれない。
　今回は戸崎騎手。奇策を打ち出す騎手ではないので、チークピースをして逃げるとかはしないとはおもうが、できるだけ前につけて、レースを引っ張る走りをして貰いたい。
　
　今回、最もマイラーっぽいサングレーザーも有力視すべき一頭だと思っている。
　というのは、前走はおせじにも「良い仕上がりだ」という状態ではなかった。「今回は様子見かな」として切ってしまった。というか、この馬、いつになったら完成するの？って、いつもパドックでみるたびにつぶやいてしまう。
　浅見厩舎の馬は、社台系でも他の厩舎のように、見栄えよりも、心肺機能を高めることに特化した馬作りをしているように思う。今年の天皇賞春を制したレインボーラインも同様で、小さくまとまっているなぁと思わされてしまうタイプが多い。でも走らせたらこの結果で、相当心肺機能が高い。
　別馬での春秋連覇というのは過去にあったかどうかはしらないが、今回においては全然あり得る話。
　
　レイデオロやスワーヴリチャードに関しては、もうスケールだけ。昨年のダービー馬のワンツーで、間違いなくちゃんと作られたノーザンファームの馬であると言うこと。
　好き嫌いの話をすると、個人的には、５００Ｋを越える大型馬はあまり好きではない。また、スワーヴリチャードは左回りが"あまり"上手くないことも、印を下げた大きな理由でもある。
　
　レイデオロはなにせ脚力がすごい。気難しいところがあって、まだ能力に蓋をしている感じがする。全然本気を出してない。脚力だけでなんとかしてしまっている。
　ノーズバンドを外して、ハミも制御力の弱いもので競馬ができるようになったら、ドバイでもフランスでも良い勝負をするだろう。
　
　ステファノスはこの枠順と鞍上というだけで、100円でも抑えておかないといけなくなった。
　
　マカヒキはスピード性能の比較ではやや見劣る。