奮闘するヤングジョッキーの本音に迫る夏競馬企画「夏に飛び出せ！　若手ジョッキー」。第３回はルーキーイヤーから北海道シリーズに参戦する長浜鴻緒騎手（１８）＝美・根本＝にスポットを当てる。函館で刺激を受ける同期の存在や、騎手デビューに至るまでの家族の支え、今年の目標について思いを語った。

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関東期待のルーキーが、北の大地で飛躍への種をまいている。長浜鴻緒騎手（１８）＝美・根本＝が、デビュー１年目から北海道シリーズに参戦。函館に滞在し、実り多き夏を過ごしている。

「今のうちから栗東の関係者とつながりを持つのが目的で函館に来ましたけど、人とのつながりは広がりました。栗東の助手さんとご飯に行って、それが騎乗依頼につながったりもします。函館に来てよかったです」


爽やかな笑みを浮かべるホープは、７日終了時点で函館で４勝をマーク。６月３０日には２桁人気馬を２度も連対させるなど、存在感を発揮している。活躍の原動力になっているのは、函館ですでに７勝を挙げている同期・高杉吏麒騎手の存在だ。「目の前であれだけどんどん勝たれると、こっちも頑張らなきゃって強く思います。よく一緒にご飯に行って競馬の話をしたりしますし、刺激になっています」。普段は東西で別のフィールドだが、函館で相まみえた今、良きライバルとして切磋琢磨（せっさたくま）している。

騎手を志したきっかけは、両親からの勧めだった。「物心ついた時から馬に興味があって、遊園地でもジェットコースターより体験乗馬とかばかり行ってました。それで両親からジョッキーという仕事を教えてもらって、めっちゃくちゃやりたいと思いましたね」。小学４年生で地元の乗馬クラブに入団。その後、競馬学校騎手課程の１次試験が免除される美浦の乗馬苑のジュニアチームに入るため、５年生のときに、弟３人を含む家族６人で茨城県に引っ越した。「親も地元の仕事を辞めて、こっちで新しく仕事を見つけてくれて。サポートは半端ではなかったですし、そこまでしてもらったからには絶対受かりたいと強く思いました」。見事に夢をかなえ、両親からは「『あのレースうまかったね』とほめられたりします」と一番の味方として応援を受けている。

現在は根本厩舎に所属。厩舎には３人の先輩騎手が所属している。「野中さんはどの進路が開くかを解説してくださいますし、（藤田）菜七子さんにはスタートの出し方を、丸山さんには鞭を打つタイミングなど細かい技術について言ってもらっています。（元騎手の）根本先生からも秘密のアドバイスをもらっています」と充実した環境を存分に生かしている。ルーキーイヤーの目標は「３０勝。新人賞を取りたいです」と力強く宣言した。まだ夢は始まったばかり。りりしい表情の新星が、トップジョッキーへの階段を一つずつ上っていく。（綿越亮介）

■長浜　鴻緒（ながはま・こお）　２００５（平成１７）年１１月１２日生まれ、１８歳。青森県出身。物心がついた時から馬に興味があり、両親の勧めで騎手を志す。２１年４月に競馬学校騎手課程に入学。同期には高杉、吉村、石神道、大江原比らがいる。２４年３月に騎手デビュー。ＪＲＡ通算１８２戦９勝（１１日現在。重賞は未騎乗）。最近はエアガンにはまっており、サバイバルゲームを楽しんでいる。

今週の騎乗予定

＜土曜・函館＞

１ＲアディクテッドランＣ

２Ｒブーケドグレイス　Ａ


４Ｒガルニエ Ｃ

５ＲシャイニングキセキＣ

６Ｒヤマニンファロ Ｃ

８Ｒサザンレイク Ａ

１２Ｒオオゾラヒバリ Ｂ

＜日曜・函館＞

１Ｒウインラテアート　Ｃ

３Ｒフェアアイル Ａ


４Ｒペレグリン Ａ

６Ｒジャヴァネ Ｂ

９Ｒゼットスパンキー　Ｂ

（Ａ＝単有望、Ｂ＝連候補、Ｃ＝微妙。評価は担当記者）

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