４月８日の米ＧＩサンタアニタダービー（サンタアニタパーク競馬場、ダート９ハロン）に挑戦する大井競馬所属のマンダリンヒーロー（藤田輝信厩舎、牡３歳、父シャンハイボビー）に、日本人ジョッキーの木村和士騎手（２３）が起用されることが明らかになった。３１日にアメリカの競馬メディア「デイリー・レーシング・フォーム」が報じ、大井競馬場で取材に応じた藤田調教師もこれを認めた。カナダで２年連続リーディングに輝き、この冬場はサンタアニタで騎乗している日本人ジョッキーに大一番での白羽の矢が立った形だ。

マンダリンヒーローは５戦４勝の戦績で、南関東の重賞ハイセイコー記念勝ち馬。大井競馬と友好関係を結んでいるサンタアニタパーク競馬場の伝統ある一戦に挑戦することが決まり、３０日にアメリカへ到着した。藤田師は「木村騎手は以前から知っていて、（カナダの）リーディングもとって重賞も勝って、すごい騎手だなと思っていました。最近もよくサンタアニタのレースを見ているのですが、どっしり乗っているのが印象的でしたね。本人に聞いたら、〝4月9日までサンタアニタで騎乗する〟ということだったので、ぜひ騎乗してもらいたいと思ってオファーをしていました」とコンビが実現するまでの経緯を説明。そのうえで「海外遠征は想定通りにいかないことばかりと聞いていたのですが、ここまでは想定通り。本当に精神的にタフな馬ですね。4日には木村騎手に乗ってもらって追い切り、6日にはゲートボーイがいる形でゲートから出してみる予定です」と調教の予定を明かした。

２０１９年に北米競馬の年度表彰エクリプス賞で最優秀見習い騎手に選ばれた木村騎手は、今期のサンタアニタ開催で大活躍。３月４日にはＧＩフランクＥキルローマイルをゴールドフェニックスで勝って注目を浴び、着々と騎乗依頼が増えてリーディングでも上位争いに加わっている。４月下旬には拠点であるカナダ・ウッドバインに戻る予定だが、その直前に訪れたチャンス。異国で活躍する日本のホープと大井競馬からの歴史的挑戦のタッグが実現して、期待は高まるばかりだ。

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