2歳秋以降の重賞路線が整備された近年は、実績馬よりも勢いのある馬を狙うべきレースとなっている。2013年以降の前走条件別成績はオープン・重賞組の2勝、2着5回、3着6回に対し、1勝クラス（旧500万下）1着馬が5勝、2着3回と優勢。その1勝クラス（旧500万下）1着馬のうち関西馬で勝利したのは2015年のキタサンブラックのみであり、該当関東馬は4勝、2着2回と高いパフォーマンスを見せている。キャリア別では3～5戦が中心で、6勝、2着7回、3着5回。2戦2勝だったキタサンブラックとその年の2着馬リアルスティールは別格と考えたほうがいいだろう。舞台となる中山芝1800mは中山名物の直線急坂からスタートし、内回りコースを1周するコース。パワーはもちろんのこと、小回り適性などの器用さも必要となる。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2008年以降の1番人気は【4.5.3.1】で、2017年のサトノアレスが唯一の着外例。連複の軸としての信頼度はかなり高い。相手も人気サイドが優勢で、2～5番人気が【6.5.4.37】と上々の結果を残している。アタマで狙うのも悪くないだろう。かつては下位人気の台頭も目についたが、2014年から5年間は6番人気以内での決着が続いた。2019年は久々に7番人気と10番人気が絡んだものの、2020年は6番人気以内で収まっている。基本的に近年の人気決着傾向には逆らわないほうがいいかもしれない。

【脚質】
中山芝1800mは先行馬が有利。阪神開催だった2011年を除くと、2008年以降は4角3番手以内の馬が6勝、2着5回、3着4回と優勢で、4角先頭馬も2頭がそのまま押し切っている。前走で逃げ戦法をとらなかった馬でも、過去に逃げ経験があれば注意しておきたい。これに対し、4角10番手以下は3着が3回あるだけと不振続き。重賞とはいえ3歳のこの時期に直線一気でまとめて差し切ることは難しいようで、単勝オッズ1.7倍だった2016年ロードクエストも3着止まりだった。

【枠順】
ゲートから1コーナーまでが200mほどしかないとあって、内が有利な中山芝1800m。このレースでも阪神開催だった2011年を除く2008年以降では、1～3枠が6勝、2着5回、3着3回と圧倒的である。これに対し不利とされる8枠は2勝、3着4回と一見まずまずの成績に見えるが、このうち1勝と3着2回は10～11頭立て時に記録されたもの。馬番15番から外では2013年マイネルホウオウの3着が唯一の好走例で、それ以外は枕を並べて討ち死にしている。

【血統】
中山開催に戻った2012年以降の2着以内馬のうち、2014年2着の外国産馬アジアエクスプレス以外がサンデーサイレンスの血を持っていた。サンデー非内包馬は出走数自体が少ないものの、2013年2番人気のマンボネフューと2015年2番人気のミッキーロケットがともに5着に敗れ、2020年2番人気のサクセッションは3着止まりだったように、厳しい戦いを強いられていることは明らかだ。なお、母父サンデー系で3着以内に入った5頭中4頭には、母母系に父系のクロスが入っているという事実が確認できている。これは覚えておいて損のない情報だろう。