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地方競馬全国協会は16日夜、東京都港区の東京プリンスホテルで、地方で活躍した馬や厩舎関係者らを顕彰する「NARグランプリ2022」の表彰式を実施した。年度代表馬イグナイター(兵庫)、3歳最優秀牝馬でフェブラリーSに出走予定のスピーディキック(浦和)などの関係者約200人が出席。会場は大いににぎわった。
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2022年にJpnⅢ黒船賞とかきつばた記念を連勝、JpnⅠマイルチャンピオンシップ南部杯で0秒2差の4着に食い込んだイグナイターが、年度代表馬に輝いた。同馬を管理する新子雅司調教師は晴れ晴れとした表情で会見に臨み、喜びを語った。
「ずっと取りたかった賞なので非常にうれしい。南部杯で0秒2差に食い込んだときには、勝つチャンスも近いかなと思いましたね」
冷静な口調でイグナイターの奮闘をたたえ、「トモ(後肢)がしっかりしてきたし、落ち着きも出てきています。また、またみなさんと喜べるレースができれば」と、今後の健闘を誓った。
主戦の田中学騎手は「こういう賞をいただける馬に巡り合えたということ、そういう競馬ができたのがうれしいですね。昨年、印象に残るのは南部杯。不本意なレースとして印象に残っています。いい位置をとれて、4コーナーを回ったときにインを突いたのが、ああいう競馬になった。決して力負けではないと思う。ひとつ外に出ていたら、結果は変わっていたかなという反省点です。はじめに乗ったときには行きたがる操作の難しい馬だと思ったけど、高知、名古屋に行ってレースが上手になって、息を入れるのが上手になってきた。(今後も)出るレースは年度代表馬としても勝ちたいと思っています。今年の高知のスプリント(黒潮スプリンターズC)も不安だったけど、騎手が弱気になったのが情けないくらい強かった。どこも全力で戦いたいですが、地元でJRAの馬に勝ちたいという強い思いはあります」と意欲を見せた。
次走は連覇が懸かる黒船賞(3月14日、高知、JpnⅢ、ダート1400メートル)の予定。その後は「かしわ記念や南部杯を考えています。JRA遠征は来年になるかと思います」(新子師)とJpnⅠタイトルの獲得を目標に掲げた。今年も年度代表馬に恥じない走りで、地方競馬を盛り上げるに違いない。
また、3歳最優秀牝馬を受賞したスピーディキックは、藤原智行調教師、主戦の御神本訓史騎手、担当の末田秀行厩務員が会見場に姿を見せた。
今週末にフェブラリーSを控え、藤原調教師が「調教後の息づかいが良く、歩様もいい。勝っても負けても悔いのない仕上げ」と話せば、4年連続の参戦となる御神本騎手は「最初はコースに戸惑うと思いますが、対応力はあるし、素質に期待しています」。末田厩務員も「気合も乗って、かなりいい状態。あとは御神本に任せたい」とデキの良さを口にし、大舞台での健闘を誓った。