1999年に指定交流競走として創設された3歳馬によるダートチャンピオン決定戦。ジャパンダートダービーは地方ダートグレード競走であるとともに南関東三冠レースの最終戦にも位置付けられており、1999年オリオンザサンクス（大井）、2001年トーシンブリザード（船橋）、2007年フリオーソ（船橋）、2010年マグニフィカ（船橋）、2017年ヒガシウィルウィンと、地方所属馬とした勝利した6頭のうち5頭が同クラシックで二冠目の役割を担う東京ダービーからの臨戦だった。一方で、JRA所属馬のローテーションはユニコーンステークスや兵庫チャンピオンシップといったダートグレード競走が主流となるものの、リステッド競走へと昇華した鳳雛ステークス、古馬混合の阪神ダート1800mやダート2000mの2勝クラス（かつての1000万下）に出走していた馬も互角以上の戦いを繰り広げている。なお、前走でダートグレード競走に出走していたJRA所属馬は過剰人気になりやすく、そういった上位人気馬が人気を裏切るかたちで波乱となるケースも散見されるため、東京ダービー上位入線馬や非ダートグレード競走を使われていたJRA所属馬に馬券妙味を求めることも一興と言えるだろう（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）。

【人気】

過去20年で1番人気が半数近い勝利数を記録しており、3着率の低さからも馬券圏内に好走するのであれば勝ち負けとなりやすい傾向がうかがい知れる。一方で、2020年には単勝1.1倍の断然人気に推されたカフェファラオが馬券圏内はおろか掲示板外の7着に沈み、2010年にも単勝1.5倍のバーディバーディが6着に敗れるなど、1番人気の複勝率は地方ダートグレード競走の水準よりも低く、馬券の軸とするには少し信頼度に欠ける印象だ。2021年においては1番人気のスマッシャーが4着に敗れるだけでなく、13頭中12番人気、単勝129.5倍を付けたキャッスルトップが逃げ切る大波乱を演出。ほか、1～3番人気の組み合わせで決着した回数も2003年、2007年の2回しかなく、2008年以降は4番人気以下の馬が1頭以上3着以内に好走し続けていることも併せて覚えておきたい（以下、文中のデータはいずれも2003年以降）。

◆人気別成績（過去20年）

【脚質】

ジャパンダートダービーが行われるダート2000mは大井競馬場の外回りコースが使用される。最後の直線距離も385.8mと非常に長いことから、同世代の一線級を相手に正攻法の立ち回りで押し切ることは容易ではなく、勝ち馬の最初のコーナーの通過順位は中央値が5番手で、最頻値が5番手または6番手。やはり数字で見ても先団より少し後ろの位置から差し脚を活かせる馬が優勢と言えるだろう。一方で、勝ち馬の4コーナー通過順位は中央値が3.5番手、最頻値が1番手となるため、道中に自ら動くかたちで位置を押し上げる力も必要となる。つまり、後半のロングスパート勝負をこなすための持続力が求められるということ。総じて長くいい脚を使える馬がアドバンテージを得やすい。

◆脚質別成績（過去20年）

【枠順】

6枠が最多となる6勝、次点で隣の7枠が5勝を挙げており、単純計算では約55％の確率で6・7枠から勝ち馬が出ていることになる。なお、6枠においては勝率・連対率・複勝率、いずれの好走率においても最高値を記録しており、2020年には単勝40.6倍のダノンファラオが6枠9番から勝利したことで、単勝回収率も一気にプラスへと推移している。一方で、1枠や2枠は上位人気馬でも案外な結果に終わることが往々にしてあり、2004年アジュディミツオー（2枠2番）、2006年ナイキアースワーク（1枠1番）、2020年カフェファラオ（2枠2番）は1番人気ながら馬券圏外に敗れ去った。なお、2018年に1枠1番から勝利したルヴァンスレーヴにおいても、隊列の外目をまくる大味な競馬で結果を残していたことに留意したい。

◆枠順別成績（過去20年）

【所属】

2007年フリオーソ（船橋）、2010年マグニフィカ（船橋）、2017年ヒガシウィルウィン（船橋）、2021年キャッスルトップ（船橋）と、地方所属馬として勝利した4頭はいずれも船橋の所属。また、地方所属馬として3着以内に好走した15頭のうち14頭が南関東の所属馬で、内訳は船橋が４勝・2着1回・3着３回、大井が2着1回・3着3回、川崎が2着1回、浦和が3着1回となる。なお、他地区所属の地方馬は2006年3着オウシュウクラウン（岩手）が唯一の好走例。近年、地方所属馬が3着以内に2頭以上入線するケースは減少傾向にあり、もっぱらJRA所属馬と東京ダービー上位入線馬が覇を競う構図になっている。

◆所属別成績（過去20年）

【前走】

◆前走成績（過去6開催）