シリウスＳは、阪神ダ2000ｍが舞台。阪神ダ2000ｍはスタート地点が芝で加速がつく上に、最初の1コーナーまでの距離が約500ｍと長いため、先行争いが熾烈になりやすいコースです。また、上級条件になると、よっぽど単騎逃げの型でなければ、直線でリードを奪って最初の急コーナーで息を入れようとしたところで、後続勢に突かれます。たいていは2コーナー(4Ｆ目)まで息を入れられなくなるので、逃げ馬が残るのがなかなか難しいものになるのです。

　2014年は、逃げ馬の出走がサトノプリンシパル唯一で、前年オーバーペースで飛ばして大差シンガリ負けした経験を生かして、直線のリードをセーブして、2コーナーでしっかりと息を入れる、逃げ馬の乗り方としては最高の乗り方をしましたが、それでも4着が精一杯でした。サトノプリンシパル自身がそこまで強くなかったのもありますが、いずれにしても強くなければ逃げ切るのは容易ではないということです。先行馬も前を突いて行くなど、深追いすると容易に粘れません。

　今年のシリウスＳは、1番枠のマスクゾロは内からある程度は出して行って、外からメイショウイチオシがハナを切り、その2番手にピオネロの形が濃厚。そこまでペースが上がらないとは見ていますが、先行馬が残るのも楽ではないでしょう。ただ、先行勢は後の交流重賞でも通用しそうなメンバーなので、2014年の再現のような結果になるかもしれません。先行馬でもチャンスがあるでしょう。

　よって、◎には休養明けを挟んで2戦連続で圧勝の(1)マスクゾロを推します。この馬は逃げ馬不在の前走・ジュライＣこそ逃げましたが、本来は先行～好位で立ち回るタイプ。前に行かなければ持ち味が生きないメイショウイチオシが逃げる形で、マスクゾロは自然と位置が下がる、理想的な位置で競馬ができる可能性が高いので、この馬を本命にしました。今回も休養明けになりますが、近2走で一気にPP指数を伸ばして、能力値1位にランクインする馬なので、まあ、上位に来る可能性は高いでしょう。

　○は、ダート路線に転向して2戦2勝の(8)ピオネロ。近2走でオープンでは上位のモズライジンを2着に降していることから強いのは明らか。また、ダートのキャリアが浅いだけに、ダートに慣れての上昇も見込めるでしょう。ただ、今回はメイショウイチオシを突いてペースを上げる役割をする可能性があるので狙い下げました。これまで勝ちに行く競馬をしたことがないだけに、そういう競馬をした場合のリスクがあります。

　▲は、ダ1800ｍに距離を伸ばした前々走・鳳雛Ｓでパフォーマンスを上昇させて、前走のＪＤダービーをも制した(4)キョウエイギア。この馬も将来の交流重賞での活躍が約束されたような馬ですが、今回は前走を大目標にした後の始動戦となるために狙い下げました。ただ、前走同様に展開には恵まれる可能性が高いでしょう。

　以下特注馬として、今回と同距離、同コースの前々走の甲南Ｓを逃げ切った810)メイショウイチオシ。ただし、前々走は2014年のシリウスＳのサトノプリンシパルのように、理想的なペースで逃げられたのも勝因。前半5Ｆ60秒2-後半3Ｆ63秒7のオーバーペースで逃げた3走前・金蹄Ｓで3着に粘ったことを考えれば、この舞台でも侮れないものがあります。しかし、休養明けの前走のＢＳＮ賞が出遅れて見せ場のないまま12着に大敗しているために狙い下げました。一発を秘める反面、前走のように馬場掃除で終わる可能性もあります。

　あとは△に昨年のＫＢＣ杯を圧勝した(6)ランウェイワルツ。近走ではパフォーマンスを下げ気味ですが、休養したことで立て直されていればチャンスがあります。他では上昇一途でハンデも軽い(11)ミツバ。今回は昇級戦になりますが、前がペースを上げ過ぎれば、この馬の後方一気が決まる可能性があります。