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東西サンスポ記者が、1週間の密着取材で勝ち馬を探るGI連載。エリザベス女王杯は、大阪サンスポの斉藤弘樹記者(38)が担当する。連載5日目は、悲願のGI制覇に燃えるリスグラシューに注目した。4歳秋を迎えて馬体は充実。枠順も絶好の〔6〕枠(12)番を引き当て、上げ潮ムードが漂っている。
結論が迫った5日目の朝も栗東トレセンで迎えた。大混戦でどんどん本命候補が浮上してくるなか、最後にもう1頭チェックしたいのが、GIで4度の2着があるリスグラシューだ。宮内助手が「タイトルを取らせないといけない馬」と話すように、出走馬で最も勝利に飢えているといっても過言ではない。
この日は、雨が降る朝一番の坂路を4ハロン64秒7-16秒2で駆け上がった。時折、首を振るようなしぐさを見せ、大一番に向けて気合もかなり乗ってきているようだ。1週前に坂路で4ハロン51秒5とびっしりと負荷をかけられ、今週も馬なりながらモレイラ騎手が乗って同52秒0をマーク。実に意欲的な調整過程だ。
「以前は、攻めたらガクッとカイバが落ちていましたが、今回は全く落ちません」と体調のよさに胸を張る。それを証明するように、木曜に発表された馬体重は前走から16キロ増の476キロ。加減することなく攻め馬を消化しての大幅増だけに「夏を越して体に幅が出てパワフルになりました」と成長を実感。心配なさそうだ。
前走の府中牝馬Sはゴール前でディアドラの豪脚に屈したが、上がり3ハロン32秒6の末脚を発揮し、コースレコードと0秒5差の好時計で2着。前哨戦としては申し分ない内容だが、今回は距離が鍵となる。
2000メートル以下は13戦で3着以内が12回。対して2200メートル以上だと昨年のエリザベス女王杯(8着)など2戦とも複勝圏外に敗れているが、宮内助手は「昨年は展開も向かなかったし、距離は気にしていません」と意に介さない。経験の浅い京都外回りコースにも「スパッとギアが上がる馬ではないので、プラスになると思います」と前向きだ。
午前9時に決まった枠順は〔6〕枠(12)番。もともとゲート内でガタガタする面があるだけに「偶数は大きいですね。極端な枠でもないし、本当にちょうどいいところ」と同助手は歓迎ムードだ。
出走馬全17頭のチェックを終えたが、まだ腹は決まらない。あと1日、熟考して結論を出したい。 (斉藤弘樹)
★エリザベス女王杯の枠順はこちら 調教タイムも掲載