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GIホース7頭が出走する天皇賞・秋(28日、東京、GI、芝2000メートル)の追い切りが24日、茨城・美浦トレセンで行われた。昨年のダービー馬レイデオロ(美浦・藤沢和雄厩舎、牡4歳)は、GI連勝中のクリストフ・ルメール騎手(39)を背にWコースで豪快な動きを披露。17日の1週前追い切りでバランスを崩した影響による不安を払拭し、GI2勝目に向けて大きく前進した。25日に枠順が確定し、馬券は26日に金曜発売が実施される。
古馬頂上決戦へ、黄金の王が輝きを取り戻した。昨年のダービー馬レイデオロが1週前追い切りで生じた不安を一掃する豪快デモで、戴冠へ前進した。
秋華賞(アーモンドアイ)、菊花賞(フィエールマン)と“GI確変モード”に突入したルメール騎手を背に、Wコースでドラゴンストーム(500万下)を2馬身追いかける。完璧に折り合うと、直線は脚力の違いを誇示するように内から馬なりで抜け出し、5ハロン67秒8、3ハロン38秒5-12秒8で1馬身先着した。
「今日は最初からリラックスできていたし、しっかり手前も替えていた。脚元にとても注意して乗ったけど、すごくいい追い切りになった」
引き揚げてきた鞍上が、この秋何度目かの“ルメール・スマイル”を全開させる。前哨戦の産経賞オールカマーで最高のスタートを切った今秋。しかし、17日の1週前追い切り(=Wコース5ハロン70秒8)で深い馬場に脚を取られてバランスを崩し、ゴール前では騎乗した五十嵐騎手が手綱を引きスローダウン。向こう正面で下馬する非常事態に陥った。調整に誤算を生じるアクシデントだったが、幸い、その後の検査で脚に異常はなかった。21日の坂路追い(4ハロン55秒0-12秒1)とこの日の絶好リハで、不安は解消された。
「前走から間隔が詰まっていることもあって、いつになくやる気になっていたね。(先週のアクシデントの影響は)全くないと思っています」
見届けた藤沢和調教師も、愛馬の上々のアクションにキッパリと影響を否定する。『2000メートルこそ世界の競馬の主流。2000メートルで強い馬が本当に強い馬』と日頃から10ハロンに強いこだわりをみせる1400勝トレーナーにとって、5勝をあげている秋の盾は至上の舞台。成長したダービー馬で栄冠をさらに加える用意はある。
「ドバイシーマC(4着)では遅い流れで行きたがってごちゃついたけど、前走はスタートから気合を入れても引っ掛からなかったからね。東京の2000メートルはスピードとスタミナ、両方がなければいけないけど、きっとレイデオロに一番向いているコースだと思う」
世代の頂点から10ハロンの頂点へ、選ばれし王者がじわりと接近した。(内海裕介)
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