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牡馬クラシック3冠の最終戦、菊花賞は上がり馬の活躍が目立つ。春は無名だった馬が、夏を境に急激に力をつけてくる。今年はアフリカンゴールドが最大のダークホース。心身ともに急成長を遂げて、4月以降は4戦3勝。長距離戦に強いステイゴールド産駒が、歴史に名を刻むか。
平成最後の“乱菊”は、アフリカンゴールドが主役を演じる。菊花賞の歴史は、上がり馬の歴史だ。古くはアカネテンリュウ(1969年)、グリーングラス(76年)、近年でもトーホウジャッカル(2014年)、キセキ(17年)が春のクラシック不出走から下克上を果たした。アフリカンは4月の未勝利V後、(2)(1)(1)着。充実ぶりは申し分なく、陣営に気後れはない。
「気性がおとなしくなって、トモ(後肢)もしっかりしてきた。胴も長くなって典型的なマラソンランナーになってきたよね」
大きく成長した姿に西園調教師が目を細める。昨年暮れにデビューしてから9、4、6着だったが、今はたくましさを身につけた。特に前走の兵庫特別は、1000万下ながら圧巻の走りで、2番手からメンバー最速の末脚(3ハロン34秒3)を披露。4馬身差をつけてのトップゴールだ。
「もう少し(成長するのに)時間がかかるかと思いましたが、今は調教のキャンターもまじめに走る。(体に)幅も出て、首も太くなって筋肉がついてきました」と、担当の平田助手も想定外の急成長を喜ぶ。
春は調教で馬場入りする際に、鞍上を振り落とそうとしたり、立ち上がったりと若さを見せたが、今は堂々としている。大仕事をやってのけそうなムードが漂う。
父は菊花賞馬2頭(11年オルフェーヴル、12年ゴールドシップ)を出すスタミナ抜群のステイゴールド。「乗りやすいし、ゲートセンスもいい。スッと折り合えるし、乗り手にも従順。楽しみにしています」とトレーナー。ダービー馬のワグネリアンが不在で、上位陣の力が拮抗(きっこう)した戦い。90年メジロマックイーン以来となる重賞初出走馬のVを目指してアフリカンゴールドが淀の長丁場を華麗に舞う。 (長田良三)
★菊花賞の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載