ビッグレースを目標とするG1級の有力馬が多く出走するレースで、前走のレースの格が結果に反映されやすい。近年はその傾向が特に顕著で、2008年以降の連対馬24頭中15頭を前走G1組が占めている。なかでも、宝塚記念9着以内からの臨戦馬は、4勝を含む8連対という高値安定の成績だ。加えて、連対馬24頭のうち23頭に重賞連対実績があった。重賞実績のない馬は、よほどのコース巧者でなければ勝ち負け争いに加われない。レースが行われる中山芝2200mは外回りコースを使用。瞬発力よりも持続力に長けた馬が幅を利かせやすい形態である。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
2008年以降、1番人気は【4.4.1.3】と、安定した成績を残している。2番人気も【2.1.3.6】というマズマズの成績で、両者がそろって馬券圏外に敗れたのは2019年の一度しかない。ただし、1～2番人気のワンツー決着はゼロなので、そのあたりには注意が必要だ。注目すべきは5～9番人気の活躍で、毎年のように馬券に絡んでいる。よって、1～2番人気から軸を選び、5～9番人気に流して中穴を狙う作戦が最も効率的と結論付けたい。

【脚質】
脚質面は、別表の脚質別成績を見ればわかるように「先行優勢」。複勝率や複勝回収率に大きな差はないが、勝率を比較すると雲泥の差だ。2008年以降、4角10番手以下から馬券絡みを果たした馬はゼロ。信頼度の面でも回収率の面でも、4角5番手以内で回った先行勢が優秀なので、軸馬は必ず、ある程度前のポジションを取れる馬から選ぶようにしたい。

【枠順】
枠順別成績を検証する限り、それほど大きな差は見られない。ただし、1枠と8枠の勝率が低く、単勝&複勝回収率も低いことを考えると、「極端な枠よりは中枠のほうがベター」と言えるかもしれない。最も期待値が高いのは3～6枠で、おしなべて水準以上の好成績。チョイスに悩んだ場合は中枠を優先したほうが、好結果につながる可能性は高くなるはずだ。

【血統】
中山芝2200mという舞台も手伝ってか、ヴァイスリージェント系、ヌレイエフ系、ストームバード系など、スタミナとスピードの持続力を兼備したノーザンダンサー系種牡馬を父もしくは母父に持つ馬が強い。ほかでは、パワー&スタミナを兼備したロベルト系種牡馬やグレイソヴリン系種牡馬を父あるいは母父に持つ馬の好走例も多い。父サンデーサイレンス系では、現役時に2400m以上のG1を優勝した種牡馬の活躍が目立つ。なかでも、母父ノーザンダンサー系との相性は抜群で、毎年のように馬券絡みを果たしている。条件を満たす馬の出走があれば、最大級の警戒が必要だ。