【レース概要】
2004年創設。川崎競馬場のダート1600m戦で争われる。南関東での重賞格付けはS3。2007年から他地区所属馬も出走可能な地方全国交流となった。2009年には笠松のマルヨフェニックスが勝利している。
優勝馬には9月27日（水）に船橋競馬場で行われる日本テレビ盃の優先出走権が付与される。

【検討のポイント】
さきたま杯2着のスマイルウィに注目が集まるが、今年は他地区から遠征組3頭の地力が高く、波乱を演出する可能性があり、穴党ファンを楽しませてくれる不気味な存在となりそうだ。

【出走馬概要（3〜4頭）】
スマイルウィ
地方所属馬によるワンツー決着で波乱となった前走のさきたま杯は、JRA勢に先着しての2着だけに今回は大きな注目を集めそうだ。主戦の矢野貴之騎手は怪我で休養中だが、金沢の吉原寛人騎手が代わりに手綱を取る点も心強い。別定58キロで、他の人馬からのマークが厳しくなりそうな点だけが気になる。

ヴァケーション
岩手競馬から名手・村上忍騎手と共に参戦する。元川崎所属馬で、2019年には今回と同じ1600m戦の全日本2歳優駿を勝利している。2022年から岩手所属となったが、同年のマーキュリーカップでJRA勢を相手に3着に入るなど、地力は今回対戦する南関東勢と互角以上と言っても過言ではない。古巣でどんな走りを見せるか、注目したい。

ダノンロイヤル
高知所属馬だが、昨年7月まではJRAの3勝クラスで出走していた。移籍後は8勝を挙げており、今年も大高坂賞で3着、トレノ賞で2着に入るなど、地元の重賞競走でも活躍している。元中央馬だけに、輸送もそれほど苦にはならないだろう。実績からも軽視すべきではない。主戦の畑中信司騎手が高知から駆け付けて手綱を取る。

ワールドリング
この馬も高知所属だが、今年3月までは船橋競馬に在籍していたので、南関東ファンにも良く知られている。2021年の優駿スプリントとアフター5スター賞を勝っている実績馬で、高知に移籍した後も5月の福永洋一記念で3着に入っている。大井の6ハロン戦での重賞勝ち馬ということで、距離に対して懸念する声が上がりそうだが、1800m戦での勝ち星もあり、マイル戦でも全く不安はないと思われる。今回は高知競馬で期間限定騎乗中のルーキー・所蛍騎手が手綱を取る。

上記4頭以外では、今年のニューイヤーカップとクラウンカップを制した3歳馬ポリゴンウェイヴに注目が集まりそうだが、遠征して挑んだ前走の高知優駿で地元のユメノホノオに大差を付けられていて(2着)、その高知から遠征してくる古馬2頭との比較が馬券戦術上のポイントとなりそうだ。さらに、大崩れがないリンゾウチャネルもトライアルを勝利しての参戦だけに侮れない。


（文・菅野一郎）

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