2006年にハンデ戦となるまでは、秋のＧ1戦線へ向けて飛躍が期待されるレースでした。しかし、ハンデ戦になってからは、秋のＧ1戦へはほとんど繋がらなくなりました。

　また、今回は、牝馬限定戦ながら、リラヴァティやウインプリメーラなどの実績馬を筆頭に、積極的に動くことで結果を出してきた馬がけっこう揃いました。自在性あるカノンもハンデが軽いので、今回はそういうレースをしてくるかもしれません。ここまで先行馬が揃うと、序盤はスローでも道中でそれほど緩まず、場合によっては早仕掛け戦も考えられます。道中のペースが極端に緩まなければ、差し、追い込み勢も能力を引き出せるでしょう。

　よって、◎には今年の京都牝馬Ｓ、中山牝馬Ｓともに2着の(13)パワースポットを推します。京都牝馬Ｓは明らかなスローペースで前と内枠が有利な流れの中目を追い込んで3着、中山牝馬Ｓは前崩れの流れを、4コーナーの大外からメンバー中最速の上がり3Ｆで追い込んでの3着でした。その内容から、福島牝馬Ｓでは1番人気に支持されましたが、結果的に大外16番枠に泣かされる形で7着に終わりました。また、前走のモンゴル大統領賞は、内々で立ち回った馬が上位入線する流れの中目で、本日エプソムＣ出走のサトノアラジンなどの一線級相手に、キレ負けする形での7着です。

　パワースポットは、牡馬の一線級が相手だとさすがに厳しいものがありますが、牝馬限定のここなら能力上位は明らか。今回は極端なスローペースは考えづらい一戦だけに、この馬が息の長い末脚で追い込んでくることに賭けました。前がペースアップするほどこの馬の好走の確率が上がります。福島牝馬Ｓでは1番人気に支持された馬が、なぜこのレースでは10番人気なの(？)という話です。

　○は前々走の奥の細道特別を圧勝し、昇級戦の前走・烏丸Ｓでも本日の三田特別で2番人気に支持されたシオンに先着するなど、近走充実の(14)カノン。その上、今回は勝って下さいと言わんばかりのハンデ50kgです。勝ちに行かない競馬ならば十分チャンスがありそうですが、今回はこの軽ハンデを意識して動き、ペースアップに巻き込まれる可能性もあるので対抗評価としました。

　▲は昨年暮れの愛知杯では、勝ちに行く競馬で◎パワースポットに先着の(3)シャトーブランシュ。3走前の中山牝馬Ｓでは先に動いた分、バウンスシャッセや◎パワースポットに差されましたが、わすかな着差から能力面での遜色はないと見ています。確かに近走はもう少し走れてもいいような気もしますが、今回はロスなく立ち回れる2番枠ということもあり、3番手評価としました。