2018年から重賞に昇格した葵ステークス。ここでは、オープン特別時の結果も分析の対象に含めている。重賞昇格にともない出走馬の質が格段に上がることは確実なため、あまりアテにはならないデータだが、単純なコース傾向の分析よりも予想するうえでの指針にはなり得るはずである。データ面で最も強調したいのは、距離短縮組が非常に強いということ。2010年以降、前走から同距離・距離延長組が3勝を含む6連対であるのに対し、距離短縮組は8勝を含む17連対と明らかに優勢（2018年は2着同着）。距離短縮組にフォーカスを絞るのが、当レースの正しい攻め方と言えよう。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）※2021年は中京・芝1200mで行われます

【人気】
2010年以降、1～3番人気はトータル【6.3.2.22】という低調な成績。一方、4～9番人気は5勝を含む12連対をマーク。10番人気以下の馬券絡みも8頭を数え、かなり本命党泣かせのレースと言える。なにしろ、出走各馬の適性や力関係が把握しきれていないなかで行われるスプリント重賞。馬連の3桁配当は一度もなく、前評判通りに決まるとは考えないほうがいい。人気薄への警戒が怠れないレースである。

【脚質】
脚質面については、先行勢と中団待機組が互角に張り合っている印象。4角11番手以下からでも2頭の勝ち馬が出ているので、展開次第では追い込み脚質でも好走可能だ。それを裏付けているのが、上がり3F1～2位馬の活躍で、2010年以降【5.6.2.12】という高値安定の成績。回収率も極めて優秀で、狙いにいく価値は十分すぎるほどある。待機勢が人気を落とすようなら格好の狙いどころになるだろう。

【枠順】
当レースで絶好調なのが内枠勢で、2010年以降の勝ち馬10頭中なんと9頭が1～3枠に集中。対照的に7～8枠の勝ち馬はゼロで、2着連対を果たした馬も4頭しかいない。当然ながら内外での回収率の差も非常に大きい。ゆえに、7～8枠に入った馬はかなり割り引いて考えるべき。たとえ人気馬だとしても過信は禁物だ。

【血統】
父方に目を向けると、突出した成績を残している種牡馬は皆無。過度に気に掛ける必要はないものと思われる。系統面ではナスルーラやロベルト、米国で活躍したスピード型ノーザンダンサーなど、持続力に長けた血筋を父もしくは母父に持つ馬の活躍が目立つ。一方、クラシックディスタンスで数多くの活躍馬を輩出しているディープインパクトやハーツクライ、ステイゴールド各産駒の馬券絡みはゼロ。キングカメハメハ産駒の連対も2011年1着のロードカナロア1頭のみというように、芝中距離のリーディング上位に位置する種牡馬の成績は軒並み悪い。従って、血統面についてはプラス評価を探すよりも、成績が低調な血統を割り引いて考えるのが、的中への近道になると結論付けたい。

人気、脚質、枠順、血統のデータ傾向をお伝えしました！
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