６月に始まった２歳戦も佳境に入り、この時期になると翌年クラシックを睨んだメンバーが続々と重賞に登場することになるのだろう。しかしデイリー杯２歳Ｓ、過去の勝ち馬を並べてみると短距離馬の名前ばかりが並ぶ。

過去数年の勝ち馬を並べてみると、タガノエスプレッソ、ホウライアキコ、テイエムイナズマ、クラレント、レーヴディソールにリディル。さらにその前もマルカシェンク、ペールギュント、メイショウボーラーにエイシンキャメロンなどなど。どうやらここは、クラシックというよりも“短距離志向が強い馬”に有利なレースであるようだ。

後に“２１００ｍ以上で勝負になった”のは過去２０年を見ても２００１年ファストタテヤマだけだし、基本的にこのレースを勝つような馬は、その後距離が延びると苦戦する傾向にある。ラップギア的に言うと、瞬発馬の出番ナシで、のぺーっとしたラップの平坦馬が勝ちやすいレースだ。

しかしね(14)シュウジ。小倉２歳Ｓの次は１６００ｍのココなのか。１６００ｍのオープン特別を楽勝したシュウジが１２００ｍの小倉２歳ステークスに出走した時、橋口弘調教師は「よくよく考えた末に１２００ｍの馬だと判断した」とコメントを出していたのだが、その１２００ｍを圧勝したのに、次走はまた１６００ｍなのか。

たしかに２歳馬にとって、次の１２００ｍ重賞は来年３月のファルコンＳまで空いてしまうので、仕方のない面はある。現在、世代限定の１２００ｍ重賞は、函館２歳Ｓと小倉２歳Ｓ、そして３歳３月ファルコンＳの３レースのみ。若いスプリンターは否応なしに距離対応を求められるレース体系となっている。

いやしかし、それでも次走は１４００ｍの京王杯２歳Ｓなのではないかと思っていたワケだ。橋口弘調教師の「１２００ｍの馬だと判断した」というコメントは方便だったのか？　それとも、このデイリー杯２歳Ｓが“短距離志向が強い馬に有利なレース”ということを知っての出走か？

まぁ小倉２歳Ｓでシュウジを嫌った“唯一にして最大の理由”が、今回綺麗サッパリ解消される舞台設定。ラップギア的にも問題はなく、「間違いなく強い。年明けぐらいまでは無条件で追いかけても良い逸材」と評していた(14)シュウジを今回は信頼することになる。

もう１頭。Ｇ１級の新馬戦ラップを見せた(13)エアスピネルもなかなかの逸材。ただ、こちらは事あるごとに嫌っている“キャリア１戦での重賞挑戦”。
http://blog.livedoor.jp/lapgear/archives/1605634.html
もちろんこれを勝つようなら＝Ｇ１級ということになるのだが、人気を集めるようなら１戦だけ待ってみても良いのではないかと。他の２歳重賞ならともかく、短距離志向が強い馬のようにも見えないし。



※印や金額は発走の約１時間前に確定。それまでは変更の可能性があります。