同日開催の牝馬限定同距離重賞（芝１４００ｍ）ファンタジーＳと違い、京王杯２歳Ｓは牡馬が中心勢力となるのだが、あえてこちらに挑戦する牝馬も少なくはない。ただしそれらの多くは関西遠征になることを嫌った関東牝馬の出走。関西牝馬である(８)レーヌミノルの出走は異例のことと言えるだろう。

たしかに前走は４角手前から馬ナリで先頭に立ち、直線も追うところなく突き放す一方での６馬身差圧勝。その映像からは洋々たる前途が見えてきたりもするのだろう。ただ、ラップを見ると、その前の新馬戦も含め、至って平凡。さすがにこの６馬身は他馬が走らなさすぎただけなのでは？

加えて(８)レーヌミノルの２走は「△５△２△５」、「△２±０△５」の、紛うことなき消耗戦。小倉２歳Ｓ以降は適鞍と呼べる１２００ｍの重賞が無くなってしまうので仕方のない面もあるのだが、毎年ハイペースで推移しているファンタジーＳならまだしも、スローペーすら上がりの勝負（瞬発戦）になりやすい京王杯２歳Ｓを選んだのは大いに謎。関西馬の関東遠征であるだけに、なおさらだ。

加えて、京王杯２歳Ｓでの牝馬成績。ファンタジーＳ創設の１９９６年以降、延べ４３頭が出走して１勝だけ。勝率２％の単勝回収率４３％。複勝率や複勝回収率はより一層低く、牝馬が“買い”か“消し”かで言えば、“消し”だと即答できるレースでもある。

能力最上位とも言えず、適性不一致に牝馬苦戦の三重苦となった(８)レーヌミノルだが、それをくつがえすほどの怪物であるか否か。

ちなみに適性で言えば、過去１０年の勝ち馬で消耗戦に連対があったのは、２００８年単勝６１．９倍の人気薄で逃げきったゲットフルマークスだけ。この点から「瞬０平０消２」の(８)レーヌミノルはもちろん、同じく「瞬０平０消２」の(12)レヴァンテライオン、それに「瞬０平１消１」の(13)モンドキャンノといった人気馬総崩れの線も考えられるところなのだ。ただ、(13)モンドキャンノは「△１▼３△１」平坦戦の新馬を勝って「△５△４△１」消耗戦の函館２歳Ｓを敗れているので、その辺り一考の余地はあるかも知れない。

いや、でもしかし、ここは（ここも）(11)コウソクストレートか。前走の（同コース）くるみ賞でも◎を打っていたように、新馬ラップが破格の部類。どうだろう？　現状デビューしている２歳牡馬の中では、この馬が一番かも知れない。

くるみ賞を勝ったことで朝日杯フューチュリティＳ辺りまで余裕を持って臨むのかと思いきや、中１週での京王杯２歳Ｓ出走。そういったローテーションはちょっと気になるところだが、むしろこのコースならタダ貰いのレースと踏んだのか？　オッズ次第ではちょっと勝負してみたい１頭ではある。






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