PP指数の各馬の(前走指数＋前々走指数＋近5走の最高指数)÷3で算出した『能力値』は、高い順にグランスラムアスク(-6.3pt)、ユキノプリンセス(-6.0pt)、プリペアード(-5.7pt)、スパークオブライフ(-2.3pt)、ゾロ(-2.0pt)。能力値は競走馬の能力と勢いを示すものであり、原則として本命馬は、能力値5位の中から選出するスタイルで予想を行っています。


　◎ (2)エクラノーブル

　函館芝1800mの新馬戦では2番枠から好ダッシュを決めてハナに立ち、そこから折り合ってマイペース。4角手前から後続に一気に迫られましたが、そこから加速開始。ラスト2Fを11秒7-11秒7と最後まで減速することなく、5馬身差の圧勝を飾りました。

　当日の函館芝は時計が掛かっており、馬場状態を考えると2歳新馬戦としては超スローペースだったわけではない。高速馬場であっても新馬戦で最後まで減速せずに勝利することは困難なこと。たまに北海道シリーズの新馬戦で逃げて独走で勝利し、その後人気になって凡退を繰り返す馬が出現することがありますが、それらの馬たちは着差をつけて勝利しても最後の1Fで失速する形のレースになっていることが共通項。本馬は逃げて最後まで伸び続けたのだから、レースぶりとしては満点です。

　ちなみに一昨夏の北海道、芝中距離の新馬戦の勝ち馬のラスト2Fの数字は以下の通り。アランデルは11秒6-12秒2。ソダシは11秒7-11秒6。ピンクカメハメハは11秒8-12秒1。バスラットレオンは11秒0-11秒2。バニシングポイントは11秒4-12秒1。オーソクレースは11秒2-11秒4。

　最後まで加速するレースをすることがいかに難しいかということと、減速度の小ささがおおよそ素質の高さを示していることがわかります。本馬は新馬戦が減量騎手起用で斤量51Kgのものだった点が減点材料ですが、それでも最後まで伸び続けた走りは高く評価できます。

　スタミナが不足する長期休養明けの前走あすのろ賞は、よりによってタフな馬場で1Fの距離延長。外差しが決まる流れを、出遅れから3番手まで位置を押し上げて行ったために8頭立ての7着に敗れました。大差の最下位に敗れたのは逃げ馬であり、6着は2番手を追走したタイセイディバインでその次走のファルコンＳで2着に巻き返し、次々走のアーリントンＣでも2着に好走していることから、いかに前が苦しい流れだったのかがわかります。

　エクラノーブルは今回、二度目の骨折で長期休養明けの一戦ですが、今回は札幌開幕週の高速芝で新馬戦と同距離の1800m。斤量も52Kgと軽く、前走よりも好走条件が整っているのは確か。ここは狙ってみます。