競馬ニュース > 記事
今年のJRA初の2歳重賞、函館2歳Sの追い切りが17日、函館競馬場、美浦トレセンなどで行われた。初戦を2歳コースレコードで逃げ切ったクリスマスは、函館Wコースで軽快に動いた。他厩舎の追い切りでゴチャついたが、度胸のいい走りを披露。オールパーパスは岩田騎手が絶賛の動き。キタサンラブコールなども態勢を整えた。
快晴だった前日から一転、雲に覆われて肌寒い気候の中、快足少女が華麗なステップを踏んだ。デビュー戦を7馬身差で逃げ切ったクリスマスが、函館Wコースで馬なりのまま5ハロン67秒4の好タイムを計時。騎乗した丸山騎手が確かな手応えを口にする。
「前の2頭を追って、しまいを伸ばした。4コーナーで内から1頭来たけど、ひるむこともなかったし、仕掛けたときの反応もよかった」
先導役のカーバ(牡4、500万下)、ウインレーベン(牡2新馬)を見ながらリズムよく追走。4コーナーで2頭をかわしていく際に、内から他陣営の馬が絡んでゴチャつく形になったが、戸惑うことなく1ハロン12秒3の決め脚であっさりと抜けてきた。420キロに満たない、か細い馬体ながら、精神力の強さは2歳馬離れしている。
6月30日の函館新馬(芝1200メートル)で衝撃的なデビューを飾った。スピードの違いでハナに立ち、4コーナーでもがく他馬を尻目に、馬なりのまま7馬身差の圧勝。タイム1分9秒3(良)は従来の記録を0秒2更新する2歳レコードで、同日の古馬1000万下の勝ちタイムとわずか0秒1差だった。「想像以上の勝ちっぷり。細い体でよくあのスピードが出せるよね」と斎藤誠調教師も脱帽のパフォーマンスだ。
「完成度が高く、スピードが抜けている。ついて来る馬は辛くなるのではないでしょうか」とトレーナーが言えば、主戦も「新馬戦と同じ距離なので不安はない。持ち味を生かす競馬で」。
天性のスピードを持ってすれば、小細工は必要ない。クリスマスが再びライバルを圧倒し、函館2歳女王に輝く。 (板津雄志)