競馬ニュース > 記事
今週の東京メインはマイル路線と中距離路線の実力馬が激突するエプソムカップ(10日、GIII、芝1800メートル)。ここでの重賞初勝利に向けて意気込んでいるのがサトノアーサー陣営だ。池江厩舎は先週の鳴尾記念で4連覇を達成したが、このエプソムカップも前10年で4連対と実績がある。強い4歳世代のディープインパクト産駒に注目だ。
強い同期に、負けてはいられない。先週の安田記念で、勝ち馬モズアスコットをはじめ1~6着を4歳馬が独占。改めてレベルの高さを証明した最強世代から、サトノアーサーが重賞初制覇を狙って府中に乗り込む。
「1回使って状態は良くなっています。体にもメリハリができて、前回よりさらにいいですね」
全休日が明けた5日の朝、担当の田重田(たじゅうた)助手が上昇ぶりを伝えた。休み明けだった前走メイSでは、大外から脚を伸ばしたが3着。池江調教師は「間隔があいたぶん、加速するのに時間のかかるタイプだからトップギアに入らなかった」と分析。田重田助手も「体も10キロ減っていた(480キロ)し、緩かった」と振り返る。
前走後は体重を戻しながら調整。折り合いをつけるため、調教では抑えつつ我慢させる工夫も重ねた。同助手は「3歳のときに比べて、きゃしゃだった体が全体的にしっかりしてきたし、精神的にもむきになって走ることがなくなりました」と成長に目を細める。
最強世代のなかでも、高い素質を示してきた。毎日杯では後の皐月賞馬アルアインに半馬身差の2着。神戸新聞杯では、勝ち馬のダービー馬レイデオロには離されたが、後の菊花賞馬キセキ(2着)と3/4馬身差の3着。ダービー(10着)、菊花賞(11着)では結果が出なかったとはいえ、世代トップクラスのポテンシャルがあるのは確かだ。
「力のある馬だし、1800メートルもベストだと思う。上のクラスに行かないといけない馬だし、何とか勲章を取りたい」
田重田助手は、言葉に力を込めた。池江厩舎は、先週の鳴尾記念をストロングタイタンで制し、同レース4連覇。このレースも過去10年で4連対と実績がある。上昇必至の叩き2戦目。自慢の末脚で、念願の重賞タイトルをもぎとる。 (長田良三)
★エプソムカップの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載