２歳中距離路線の整備という名目で、重賞として新設されたいちょうステークス。このレースは“２年間の競走実績”を有していないため、当面はグレードなしの重賞という扱いになる。このまま何事もなければ、再来年にはＧⅢまたはＧⅡのグレードが付くはずだ。

前年までオープン特別だったいちょうＳだが、２０１２年と２０１３年は芝１８００ｍでの施行。そこで芝１６００ｍだった２０１１年以前のレース結果を眺めてみたのだが、まず目に付いたのは超スローが続くレース傾向。どのくらいスローかと言うと、同距離（東京芝１６００ｍ）の未勝利戦平均よりも、はるかにスロー。どの馬も積極的に先手を取る気がないらしい。

…となれば純粋な末脚くらべか。いやいや、それがそうでもなく、長距離線ならともかく、１６００ｍ以下の距離でスローになると前が残りやすいのが東京や新潟の特徴。この重賞・いちょうＳも、前目に付ける馬が有利との第一印象を得ることになった。

そしてそういった超スローのレース傾向から、（１か月半後の）東京スポーツ杯２歳Ｓと同じように、このいちょうＳも将来的にはキャリア１戦の馬が活躍する重賞になるのではないかと想像している。今年出走する⑫サトノフラムや⑩ネオルミエールも、デビュー戦で大器の可能性（ラップ）を見せている馬だ。

しかしそれでも、ここは②ミッキーユニバースを推奨したい。思い出して頂きたいのは、札幌２歳Ｓ予想時にも書いた、『札幌２歳Ｓに出走した全馬、少なくとも２歳の間は追いかけ続けて損はない』というデータ。そこで何番人気だろうが、どれだけ大敗しようが関係ない。札幌２歳Ｓに出走したということ自体がステータスという話だ。

具体的な数字を出すと、札幌２歳Ｓが１８００ｍでの施行となった１９９７年移行（１７年間で）、同レース出走全馬の次走以降２歳戦をすべて買い続けると、延べ２９４頭出走で３６勝。勝率１２％の単勝回収率１５０％。

例に挙げるなら２００４年ケイアイヘネシーの単勝６４８０円、２０１０年マーベラスカイザーの単勝６２１０円、２００３年ヤマニンシュクルの阪神ＪＦ単勝１４８０円に２０１２年ロゴタイプの朝日杯ＦＳ単勝３４５０円、昨年にしてもレッドリヴェールの阪神ジュベナイルフィリーズ単勝１４６０円など、恐ろしい確率で穴をあけてる。

札幌２歳Ｓ出走馬は、それだけで価値があるということ。札幌２歳Ｓを使うほどの期待馬が、たった１度の敗戦で不当に人気を下げてしまうという認識のほうが正しいか。ただしこの神通力は年内１１月が最盛期で、その効力は年内の１２月開催まで。年明けには綺麗サッパリ消え失せるので、その点には注意しておこう。



※印や金額は発走の約１時間前に確定。それまでは変更の可能性があります。