このレースで予想されるベストの適性は「９１０」で、瞬発戦を想定。脚質的には差し馬
が５％優勢。ダービーは現在、ジャングルポケット、タニノギムレット、ネオユニヴァー
ス、キングカメハメハ、ディープインパクトにメイショウサムソンと１番人気が６連勝中。
過去17年の１番人気を見ても【12-４-１-０】の驚異的成績だ。

しかし今年の１番人気候補フサイチホウオーはどうだろう。４戦４勝での皐月賞２番人気
にも驚かされたのだが、そこを３着に敗れてのダービー１番人気というのも常識的には有
り得ない話。しかもどうやら単勝１倍台の圧倒的１番人気かと。

ダービーで単勝１倍台と言うと、ディープインパクト（１．１倍）、ナリタブライアン（
１．２倍）、トウカイテイオー（１．６倍）、シンボリルドルフ（１．３倍）にミスター
シービー（１．９倍）といった三冠馬クラスしか思い浮かばない。あとは熱狂のハイセイ
コー、単勝占有率66．６％の１．２倍ぐらいか。

皐月賞１番人気だったならまだしも、４戦４勝でも１番人気が取れなかった皐月賞。その
１レースの差し脚だけでにそこまでの価値が付くのだろうか？　１番人気は理解できたと
しても、単勝１倍台は理解の範疇外。重賞での単勝１倍台はほぼすべてが過剰人気だと思
う。

皐月賞の１番人気から急激に人気を落とす馬と言えばアドマイヤオーラ。この馬の皐月賞
はフサイチホウオーと比較して、そこまで悪い競馬だったのだろうか？　４コーナー手前
でフサイチホウオーの２馬身後ろに位置し、やや内目を回ったとは言え、最終的な着差が
１馬身半。フサイチホウオーが位置取りの差で皐月賞を負けたと言うのなら、フサイチホ
ウオーとアドマイヤオーラの差も「位置取りの差」でしかない。

皐月賞で◎を打ったヴィクトリーに関しては、これがダービー向きの瞬発力を持っている
のかと問われればやや消極的にならざるを得ない。皐月賞予想時には「可能性を秘めた素
材」と評し、そして「想定できる範囲、最良の結果」と回顧した。同じ競馬をやって、こ
こでは勝てまい。皐月賞の競馬では「もう一枚上の姿」が想像できなかったのだ。その点、
サンツェッペリンは百日草特別のような競馬ができれば面白いが。

牝馬勇躍挑戦のウオッカ。例えばエアグルーヴみたいな史上最強級の牝馬が、２戦２勝馬
（フサイチコンコルド）でも勝てるレベルのダービーに出たとして、それでやっと勝ち負
けになるかどうか。少なくとも私の出す指数では、牡牝にはそれぐらいの開きがある。と
は言え、ウオッカとてここ数年の３歳牝馬の中でも１，２を争うであろう能力の持ち主。
適性もピタリのはずで、３番人気前後は妥当な評価かとも思える。

※適性値の３数字はラップタイムから考えられる適性を「瞬発、平坦、消耗戦」に分けて
数値化したもの。数の大きいものが良いわけではなく、あくまで適性のバランスのみを表
す。能力値は、ラップタイムから考えられる基礎能力を数値化したもの。