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10月9日の盛岡12Rで行われた「第36回マイルチャンピオンシップ南部杯」(3歳以上オープン、JpnI、ダート・左1600メートル、定量、14頭立て、1着賞金=7000万円)は、坂井瑠星騎手とコンビを組んだ1番人気のレモンポップ(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)が先手を取って後続を楽々と突き放し、大差をつけて圧勝。フェブラリーSに次ぐ2度目のビッグタイトルを獲得するとともに、JBCクラシック(11月3日、大井、JpnI、ダート2000メートル)とJBCスプリント(同、ダート1200メートル)の優先出走権を手にした。タイムは1分33秒8(稍重)。
2着は2番手追走から最後までしぶとく粘った兵庫のイグナイター(4番人気)。さらに1/2馬身差の3着に好位から伸びたレディバグ(7番人気)が入った。連覇を狙った2番人気のカフェファラオは5着。
レースは好スタートを切ったレモンポップがじわっと前に出て、外からダッシュ良く先行しようとするイグナイターを制して先手を取った。3番手にはジオグリフ、レディバグ、カフェファラオが続き、その後ろにソリストサンダー、デンコウリジエールと続く形。勝負どころで各馬の鞍上の手が動く中、レモンポップだけは楽にスピードアップし、直線はまさに独壇場となった。2着に2秒0の差をつける圧巻のぶっちぎり。ドバイゴールデンシャヒーン大敗(10着)のリベンジを果たし、堂々と砂のマイル王の座に就いた。
マイルCS南部杯を勝ったレモンポップは、父Lemon Drop Kid、母Unreachable、母の父Giant's Causewayという血統の米国産馬で、馬主はゴドルフィン。通算成績は13戦9勝(うち地方1戦1勝、海外1戦0勝)。重賞は2023年GⅢ根岸S、GIフェブラリーSに次いで3勝目。マイルCS南部杯は田中博康調教師、坂井瑠星騎手ともに初勝利。
◆坂井瑠星騎手(1着 レモンポップ)「最高にうれしいです。栗東に滞在していたときに調教で乗せていただいて、だいぶ良くなっていることを感じていましたし、返し馬でもフェブラリーSを勝ったときと同じような雰囲気で、状態はすごくいいと思いました。(逃げたことは)これといったプランは決めていなくて、レモンポップのリズムで運べたらな…というのが(結果的に)逃げる形でした。強いというのは分かっていたので、レモンポップと一緒にレースを楽しんでいました。手応えはずっと良かったですし、4コーナー手前で仕掛けたときの反応が素晴らしかったので、これなら負けないな、と。(大差がついたことについて)ビジョンを見て差は確認していたので、だいぶ離しているなとは思いましたけど、最後までしっかり走らせました。僕はコンビを組ませてもらって3戦目で、前回ドバイで悔しい思いをしましたけど、国内では底を見せていないですし、キャリア(今回で12戦目)もまだ5歳としてはそこまでないですし、まだまだこれから良くなってくれると思うので、今後も非常に楽しみです」
◆笹川騎手(イグナイター2着)「自分のペースでついていけましたし、3、4コーナーもいい感じで進められました。ここまで来たらGⅠを勝たせてあげたいです」
*今後はJBCスプリント(11月3日、大井、JpnⅠ、ダ1200メートル)を視野
◆酒井騎手(レディバグ3着)「二の脚が遅い馬なので、出して行って踏み込みつつ競馬をしましたが、残り100メートルで脚いろが一緒になりました。でも、左回りの方がいいですね」
◆石橋騎手(タガノビューティー4着)「積極的に行きたかったが、1歩目でつまずいてしまったのが悔やまれます。向こう正面でエンジンがかかって、最後はこの馬らしい脚を見せてくれました」
◆高松騎手(カフェファラオ5着)「枠が内だったので、競馬がしづらかったです。もまれて嫌気が差してしまいました。自分もうまく指示を出せず反省しています」
◆岩田望騎手(ジオグリフ9着)「いいところで競馬ができましたが、追走で一杯になりました。ダートを捕らえられていない感じでしたし、個人的には芝の方がいいと思います」