ノットオーソリティーに食い下がったシャークファングの前走（１１頭１１枠１１人気）の大駆けの背景には２つのキーワードが隠れている。１つは怖がり、つまり他馬を気にする臆病な気質のために、もまれない外枠からハナを切るようなかたちの２、３番手が幸いした。過去の２勝（２着２回）も逃げるか、スムーズに先行できていた。今回の③枠は微妙（外からかぶせられてどうか）だが、ハナを切らせてもらえるか、前走同様の番手でスムーズなら再度踏ん張れるかもしれない。
　もう一つは左回り。過去の９戦が右回り（大井）だったのに､はじめての左回り（浦和）で別馬のような鋭いコーナーワークを見せた。ＪＲＡのオークストライアル・フローラ賞を単勝万馬券で快勝したシンコールビーがそうだった。阪神、小倉、京都などで8戦してやっと未勝利を勝ち、さらに右回りで４戦しても勝てず、１勝ち馬ながらオークストライアルに登録して滑り込んで大変身を遂げた（オークスでも３着！）。シンコールビーは母父ストームキャットという典型的なアメリカ（左回り専用）血統馬だった。右では未勝利に毛が生えた程度なのに、左ではＧⅠで勝ち負けできるほどの能力を隠し持っていた。もし、万一、シャークファングにも生まれながらのサウスポ－（左利き）の資質があるのなら、前走は決してフロックではなかった。怖がり？　サウスポー？　この２つのｉｆ　もしもをキーワードとしてシャークファングの可能性に迫ってみたい。ちなみにテイクユアチョイスはＰＯＧ仲間の馬友イソンボさんの愛馬（２口所有）でもある。ＧＯＯＤ　ＬＵＣＫ！