今年のJBCスプリントの前哨戦、東京盃は前半3F33.8-後半3F37.0の超絶ハイペースとなりました。東京盃が前半3F34秒1以内のハイペースとなった年は過去10年で3度あり、3コーナー6番手以降から連対した馬は、全て馬群に沈んでいます。2014年の1番人気馬ノーザンリバー→5着、2016年の5番人気馬ドリームバレンチノ→10着です。(2010年の2着該当馬は不出走)　これを考えると東京盃で3コーナー9番手から連対したブルドックボスは危ういでしょう。

　一方、前走の東京盃が前半3F34秒1以内のハイペースだった年に、3コーナー4番手以内から連対した馬は、全て馬券に絡んでいます。2010年のサマーウインド→1着、2016年のドリームバレンチノ→1着、2015年のコーリンベリー→3着です。そこを考えると、東京盃を3コーナー3番手から優勝したジャスティンを本命◎にするのがベストかもしれません。

　しかし、今回は東京盃以上に逃げ馬が集いました。東京盃で逃げ、先行した馬以外にテンの速いヒロシゲゴールドや芝スプリントの逃げ馬モズスーパーフレア、さらに地方馬ではもっともテンが速いノブワイルドが加わったのです。ここまで逃げ、先行馬が集うと激流を免れない可能性大。現在の大井のダートは軽いこともあり、前半3F33秒台半ばまでペースが上がる可能性もあるでしょう。

　そこまでペースが上がって速い走破タイムが求められると、差し馬と内々を立ち回れる馬が圧倒的に有利です。外目からある程度勝ちに行くジャスティンは苦しくなる可能性もあると見て、同馬は単穴▲までとしました。しかも、ジャスティンは休養明け好走後の一戦になるので、反動が出ることも懸念されます。

　そこで◎には、今春の東京スプリントで勝ち馬とジャスティンと0.2秒差に好走した(6)サブノジュニアを推します。今春の東京スプリントは過去1年以内のダートのスプリント戦では、カペラＳ、天王山Ｓ、オーバルスプリントと横並びのハイレベル戦でした。そこで2着なら今回のメンバーで通用する下地はあるし、その後、南関東のスプリント重賞を3連勝している点や同馬が差し馬であることにも好感が持てます。

　前走の東京盃は大外枠で内目の馬の出方を窺いながら位置を下げ、内目を狙う競馬で展開に恵まれた面はあります。しかし、5着に敗れたのは、直線での進路取りがスムーズではなかった影響も多少あるでしょう。今回は内目の枠で前走以上に展開にも恵まれる可能性が高いだけに、3着、運が良くて2着くらいなら十分あると見て本命としました。

　○は、2018年、2019年のオーバルスプリントの優勝馬で、今年は同レースで0.4秒差の(3)ノブワイルド。今年のオーバースプリントは3着に敗れてはいますが、過去2年の同レースよりも明確にオーバーペースで逃げ馬には厳しい流れでした。1200ｍのここでも楽に加速できるように、前走は行き切ったようにも感じました。


　また、この馬は逃げの左海騎手が乗っているから逃げ馬をやっているのであって、本体は折り合うこともできるタイプです。今回は内にテンの速いヒロシゲゴールドや初ダートに戸惑うことがなければ、ヒロシゲゴールドよりもテンが速いモズスーパーフレアが内枠にいるので、それらを見ながら折り合う競馬になるでしょう。久々にマークから逃れて、あわやの馬券圏内に突入があるかもしれません。