ＪＲＡのトップレベルは、ドバイ遠征で出走しない上に、ニホンピロアワーズやワンダーアキュートなど、かつてこの路線をリードしてきた馬の出走もありません。例年、ダイオライト記念はＧ2でありながら、時期的なことがあってメンバーが手薄。しかし、その替わりにクリソライトやアスカノロマン、トーシンイーグルなどの新勢力の出走が多数。それらが衰えながらも善戦を続けているシビルウォーや、昨年から地力が強化されたサミットストーンにどこまで迫れるか、あるいは撃破するのかという対戦図式になりました。能力は上位拮抗ですが、ダ2400ｍならば大きく加点できる有力馬や穴馬もいて、馬券的には牝馬重賞路路線よりも妙味ある一戦になりそうです。

　ダ2400ｍで大きく加点ということで、◎には昨秋の日本テレビ盃が圧巻だった(4)クリソライトを推します。昨秋の日本テレビ盃は、2着馬に7馬身差。それも超絶ハイペースの2番手を追走して、ラスト3で後続を大きく引き離しての勝利でした。この馬がラスト3Fでマークしたラップは、11秒9-12秒2-12秒9。超絶ハイペースで11秒9を叩きだすのは非常に稀で、他馬にとっては消耗戦でも、この馬にとっては消耗戦ではなかったことになります。相当なスタミナの持ち主と言えます。

　ただし、この馬は序盤のスピード不足がネックの馬で、ＪＲＡの近2走はよりによって内枠で好位につけることも、外に出してロングスパートすることもできずに揉まれて終わりました。確かにこの馬は秋のＪＢＣクラシックを大目標としたこともあり、本調子ではなかった感も否めませんが、立て直されての今回は巻き返しに期待します。また、この距離だとテンがゆったりとした流れになるので、今回はこの枠順でも好位につけられるはずです。日本テレビ盃のパフォーマンス発揮なら、ここも圧勝ですが果たして？

　○は昨年のこのレースの3着馬で、昨秋、更に力をつけた(2)サミットストーン。昨年は、浦和記念を勝ち、ＮＲＡ年度代表馬に選出されました。その後の東京大賞典も川崎記念もホッコータルマエ、コパノリッキーに次ぐ3着でしたが、前記2頭のいないレースならば、もう一度重賞タイトルをものにして、今年もＮＲＡ年度代表馬を狙いたいところ。サミットストーンは、新顔のアスカノロマンやトウシンイーグルと大きな能力差はありませんが、アスカノロマンは休養明けの前走で自己ベストのＰＰ指数をマークした後の一戦となること、トウシンイーグルは自分からレースを作れるタイプではないので、こちらを対抗にしました。

　▲は強豪が集った一昨年の名古屋ＧＰ勝ち馬(11)シビルウォー。一昨年の名古屋ＧＰ以降は勝ち星がなく、全盛期と比べるとさすがに衰えた感はあります。しかし、昨年は順調さを欠いていたことも結果を出せなかった理由でしょう。3走前のマーキュリーＣでは◎クリソライトと0.4秒差、前走の名古屋ＧＰでもエーシンモアオバーやニホンピロアワーズに次ぐ3着ですから、もういらないと侮るのは早計です。また、この距離ならばスピードが衰えても、経験によって積み重ねたスタミナでカバーすることも可能です。

　あとは△に初ダートでいきなり準オープンを制して、ダート適性の高さをアピールした(5)トウシンイーグル。この馬は昨秋のシリウスＳでも直線でバテずによく伸びて3着に好走しました。その後、休養してからは序盤の行き脚がつかずにオープンでは善戦止まりですが、前走のアルデバランＳでは、直線で前が詰まる不利はあったものの、追走力に復活が見られました。この馬はスタミナがあるけど、好位につける脚がないクリソライトの小型版的な馬。中段で立ち回って進路が確保できれば、上位争いには加われるでしょう。