第1回チャンピオンズＣは、前半4Ｆ50秒4-後半4Ｆ48秒7のドスローでした。コパノリッキーが出遅れたことはともかく、どこまでもペースが上がらないことに、本当にビックリさせられました。私的にレースを全く作れない、ホッコータルマエの2番人気は過剰人気だと思っていたのですが、このブランド力が前代見聞のスローペースを生み出した一番の要因です。ホッコータルマエは、昨年のＪＣダートなどでエスポワールシチーを突いて自身が失速するなど、今でもみんなが思うほど強くないと思っているのですが、どうやら騎手たちにも恐れられていたようです。

　一番、わかりやすい騎乗をしたのは、帝王賞ではコパノリッキーに競り掛けに行った武豊騎手のワンダーアキュートが、後方待機策を選択したこと。ホッコータルマエを恐れていなければ、ホッコータルマエの直後から正攻法で捻じ伏せる競馬を選択したはずです。特に大レースではなんだかんだ言っても武豊騎手が中心で回っているところがあるので、武豊騎手が動かないから、他の後方有力勢も動かず、ドスローという結末。ホッコータルマエしてやったりの競馬でした。

　今回はコパノリッキーもワンダーアキュートもさすがにチャンピオンズＣよりも積極的に動いて行くでしょうから、チャンピオンズＣ程のスローペースになるのは考えづらいものがあります。しかし、本日の大井は雨の影響でスピード勝負になっているようなので、スローペースよりの競馬になる可能性が高いでしょう。

　よって、◎には昨年のこのレースの勝ち馬で、今年は川崎記念とチャンピオンズＣを制した(6)ホッコータルマエを推します。前記したようにこの馬はそこまで強い馬ではないのですが、この距離だとスムーズに前につけられる強みを評価しました。休養明けの前々走ＪＢＣクラシックでは勝ち馬コパノリッキーに完敗でしたが、コパノリッキーは前走のチャンピオンズＣで全く見せ場がなかったように、体調面に不安がある模様。ある程度、巻き返せたとしてもいきなり変われるかは「？」なので、この馬の本命が一番、無難でしょう。

　○は前々走のＪＢＣクラシックの2着馬(2)クリソライト。この馬は前半で前に出して行ける脚がないために、前走のチャンピオンズＣでは揉まれて終わりました。完全に3番枠が祟った形。しかし、交流重賞の場合は、そもそもスピードが足りない地方馬いて、スローペースでも隊列が縦長になるために、2番枠でも進路が全くなくなることはないはず。理想は外枠ですが、この枠順でもそこまで嫌う必要はありません。巻き返しを期待します。

　▲はワンダーアキュートと同期でライバルだった(11)シルクメビウス。2011年の東海Ｓではワンダーアキュートに敗れたものの、その前のジャパンダートダービー、ジャパンＣダート、東京大賞典ではシルクメビウスが先着しており、これまでの対戦成績は引き分け。2010年の東海Ｓではあのトランセンドに、同年のブリーダーズゴールドＣではあのカネヒキリを撃破した実績もあります。この馬は2011年の東海Ｓ以来、ＪＲＡから姿を消し、長らく実戦から遠ざかりましたが、約3年半の時を経て再びワンダーアキュートと対戦します。確かに約3年半という時の流れで、競走能力を喪失した可能性も十分ありますが、前走の道営記念では引っ掛かる元気を見せていたので、ここは変わり身一発を期待します。今回で最大の穴はコレでしょう。

　以下特注馬として、3着インカンテーションに5馬身、それ以下には9馬身以上差をつけて、クリノスターオーとのマッチレースを制した今年のエルムＳがとても強かった(16)ローマンレジェンド。休養明けの前走チャンピオンズＣは3着でしたが、チャンピオンＣはエルムＳよりも凡戦で、この馬の能力を発揮したとは言えないので、今回で極端に反動が出る可能性は少ないでしょう。

　あとは△はこの夏の上がり馬で、大沼Ｓ、マリーンＣを連勝した(5)ロイヤルクレスト。大沼ＳでマークしたＰＰ指数は、浦和記念の決着指数よりも高いものがありました。今回は休養明けをひと叩きされての上積みが見込め、あと少しの成長力を見せればこのメンバーでも通用するでしょう。また、今回でレースメイクをするのは、おそらくテンの速いこの馬。ホッコータルマエを壁にして、楽な逃げが打てれば、思わぬ高配当を演出するかもしれません。

　他では2011年のこのレースではあのスマートファルコンとの接戦で写真判定に持ち込んだこともある(14)ワンダーアキュート。今年は帝王賞を勝ちました。この馬は立ち回り上手で、差してもそれなりの競馬はしますが、この馬の能力が一番引き出せるのは前記2レースのような正攻法の競馬。自己ベストのＰＰ指数を叩き出した一昨年のＪＢＣクラシックも先行策から捻じ伏せる競馬でした。ただ今回は、どう乗るかわからないというのと、意外と楽に好位につけられない可能性もあるので狙い下げました。