名古屋大賞典の前後（今年は後）にJRAではハンデ戦のマーチＳが行われるため、実績馬はハンデを背負わされることを嫌って、ここへ出走してくることも少なくありません。2011年度の佐賀記念の覇者エスポワールシチーも、前年のGIで5勝を挙げた実績馬でしたが、その年はここから始動して、再びGⅠ戦線に挑んだこともありました。

　GⅠで上位の馬が出走してくれば、当然、それらが活躍しますが、不在の年は佐賀記念の連対馬が活躍することがほとんど。しかも、佐賀記念を制した(7)クリンチャーは、前に行って持久力を生かす競馬が吉と出て、問答無用のレコードタイムで大差勝ち。しかし、休養明けであそこまで死力を尽くすと、さすがにパフォーマンスを落とすでしょう。

　実際にクリンチャーは、3走前にみやこＳで強引な先行策で3馬身差のＶを飾った後のチャンピオンズＣでは、内枠から押して出しても先行できず、見せ場のない11着大敗を喫しています。また、今回はグレード未勝利馬とは4kgの斤量差もあるので、連対取りこぼしがあっても不思議ないと見て、ここは対抗〇評価に止めます。

　そこで◎に推したいのは、ブリンカーを着用し、逃げることで上昇し、未勝利戦から準オープンまで破竹の4連勝を飾った(5)メイショウカズサです。同馬は前走のカーノープスＳでは、外枠から出負けし押してハナに立ち、プレスティージオにプレッシャーをかけられたこともあって、上手く息を入れられずに15着大敗を喫しました。しかし、今回は立て直されての一戦。好スタートを決めての巻き返しに期待します。

　▲は、昨年12月の園田金盃では、重賞12勝の実績馬エイシンニシパを5馬身引き離して勝利した(1)ジンギ。前走の白鷺賞では最後は流して7馬身差の圧勝。同馬は昨年8月の時点で古馬重賞の摂津盃を勝利し、とても期待されていた馬ですが、その頃からさらに地力をつけました。今回は初めて中央のトップクラスと戦うことになりますが、上位食い込みの余地は十分あると見て、3番手評価としました。

　あとは△に前々走のジュライＳでは、正攻法の競馬で○クリンチャーを2着に降して勝利した(6)ウインユニファイド。休養明けの前走、佐賀記念では進化したクリンチャーに大差を付けられての5着でしたが、今回はひと叩きされて前進の見込める一戦。前走時はクリンチャーとの斤量差が2kgでしたが、今回は4kg差があるだけに、前走状の走りは見せられるでしょう。

　さらに昨年、ダート路線に転向して3連勝し、その後もＢＳＮ賞と日本テレビ盃を連勝した(10)ロードブレス。日本テレビ盃は前へ行った3頭がペースを引き上げ、後続を引き離したことで実質差しの競馬。展開に恵まれた面があったのは確かですが、2000ｍまでは崩れていないので、警戒が必要でしょう。