JBCクラシックは、帝王賞で連対した直行馬の活躍が目立つレース。過去10年の成績は【1・1・2・0】で、昨年のこのレースでワン、ツーを決めたオメガパフューム、チュウワウィザードを始め、2014年のワンダーアキュートや2015年のホッコータルマエが3着と善戦しています。遡れば2009年のこのレースで3連覇目を果たしたヴァ―ミリアンも帝王賞1着からの直行でした。

　実際に今年も帝王賞の上位馬が実力上位であり、それらが直行してくるとなると、人気でも決定的に逆らえる材料がありません。本命は帝王賞1着のクリソベリルか、帝王賞2着のオメガパフュームの選択になりますが、クリソベリルは昨年の日本テレビ盃、チャレンジＣ、今年の帝王賞など、スロー～平均ペースのほうがパフォーマンスが高く、高い指数を出す馬です。

　しかし、今回は前々走のジャパンダートダービーを超絶ハイペースの2番手から押し切ったダノンファラオが逃げてペースを引き上げる可能性が高いと見て、◎には(1)オメガパフュームを推します。この馬は前半5F61.6-後半5F63.3の超ハイペースで流れた昨年の東京大賞典で、向こう正面から動いて優勝しているように、速い流れで真価を発揮する馬。前走の帝王賞では、休養明けの平安Ｓで好走したあろの一戦のうえに超絶スローペースとなったために、クリソベリルの決め手に屈しましたが、前走でも崩れなかった辺りにこの馬の潜在能力の高さが窺い知れます。

　○は、国内のダート戦では7戦7勝と底を見せていない(5)クリソベリル。この馬は伸び盛りの4歳馬ですから、休養中にさらに成長している可能性もあります。おそらくここはこの先のチャンピオンズＣ、東京大賞典を見据えた叩き台の一戦ですが、それでも上位争いが濃厚でしょう。

　▲は、前半5F61.3-後半5F64.6の超絶ハイペースとなった前々走のジャパンダートダービーを制した(6)ダノンファラオ。この馬の前々走は、その前走の鳳雛Ｓで前半4F47.4-後半4F51.1の厳しい流れを経験したことが前走に繋がったこともありますが、大井のダ2000ｍにタフな流れが向いているのは明確でしょう。中央のダ1800ｍでは追走に苦労して走法を乱していましたが、前々走では伸び伸びとした走りを見せていました。

　それだけに休養明けの前走、日本テレビ盃をひと叩きしてここは変わり身に期待します。前走の日本テレビ盃も前半4F46.1-後半4F51秒9と先行勢は即死レベルの消耗戦になっているだけに、ジャパンダートダービー同様に一変する可能性は十分あります。