今年の帝王賞はこの夏の上がり馬不在で、帝王賞の再戦ムード。しかし、昨年の帝王賞馬ケイティブレイブがこのレースで3着に敗れて、勝ったのは帝王賞の5着馬アポロケンタッキー、2着は帝王賞の4着馬サウンドトゥルーだったように、帝王賞の着順がそのまま信頼できるとは限りません。

　それでは帝王賞組の中で、どのような馬がこのレースで巻き返し率が高いのかというと、3コーナー先頭だった馬です。例年、帝王賞は前が厳しい流れになるので、前哨戦らしくペースが緩むこのレースで、もう一度逃げて巻き返すことが多いのです。

　また、このレースでは、帝王賞組に限らず、2012年のマグニフィカ、2014年のグラッツィアのように、逃げ馬が穴を開けているのがポイント。もっとも前記2頭は、古馬G1で連対実績がないので、3着が精一杯でしたが、2008年のフリオーソ、2011年のスマートファルコン、2013年のワンダーアキュート、2015年のクリソライトなどの古馬G1で連対の実績馬は、このレースで逃げ、もしくは3コーナー先頭から押し切って連対しています。

　よって、今回の◎には、昨秋のチャンピオンズＣの2着馬で、みやこＳや東海Ｓもハイペースを前から押し切る圧巻の内容だった(1)テイエムジンソクを推します。この馬はフェブラリーＳで12着大敗を喫しましたが、これは時計の掛かる馬場でレースが消耗戦になったことが一番の理由。しかし、距離によるものもあるでしょう。

　この馬は前に行ってこそのタイプですが、マイル戦だと前半からおっつけて行かないと厳しいので、本質的には中距離のほうが合うと見ています。また、その後の2戦がひと息ですが、前走・帝王賞は逃げてスピードに衰えはないことを証明できているので、立て直されての今回は巻き返しを期待します。

　○は、昨年のこのレースの優勝馬で、今年は川崎記念2着、ダイオライト記念2着の(4)アポロケンタッキー。前走の帝王賞では休養明け好走の反動で、出遅れて11着大敗を喫しましたが、立て直されたことで昨年同様の変わり身が見込めます。前走は昨年以上の恐ろしい負けっぷりでしたが、もともと強ければ、それでも巻き返して来ることがままあります。鞍上にモレイラ騎手を配してきたあたりにも、それなりのデキにあると推測されます。

　▲は、昨年のジャパンダートダービーの優勝馬で、今年は帝王賞5着の(8)ヒガシウィルウィン。このレースは夏場を順調に使われている馬が穴を開けることが多いレース。前記したマグニフィカもグラッツィアもそうだし、マーキュリーＣの優勝馬がこのレースで活躍することが多いのもそのせいでしょう。帝王賞組で唯一、夏場のレースを使われている順調の強みに、一発を託します。

　以下特注馬として、昨年のＪＢＣクラシック優勝を始め、古馬G1で上位常連の(9)サウンドトゥルー。フェブラリーＳのようなマイル戦では取りこぼすことがあっても、さすが差し馬で中距離戦では善戦することが多いので、常に警戒が必要な馬です。

　あとは昨年の帝王賞馬でこのレースも3着の(6)ケイティブレイブ。この馬は今年に入ってさらなる躍進。距離が短くオーバーペースに巻き込まれたフェブラリーＳ以外のG1では、全て連対を果たしました。目標はこの先で、ここは叩き台でしょうが、それでも通用して不思議ない実力があるので、押さえておいたほうがいいでしょう。