兵庫ＪＧは、中央のダート2勝馬が活躍するレース。過去10年ではダートの500万下を勝てなかった馬が、このレースを勝ったことはありません。それでも前走のなでしこ賞でハングリーベンの2着に敗れたゲキリンが、デビュー3戦目の上積みに期待されて断然の1番人気に支持されるのは、多くの方がハングリーベンやネコワールドの強さを信頼していない証でしょう。

　実際にPP指数で見ても、昨年このレースを制したなぜしこ賞の勝ち馬サウンドスカイと比較してもやや下です。極端ではありませんが、そこまでレベルが高くないのです。また、ヤマボウシ賞はなでしこ賞以下で、2012年のアップトゥデイトが勝った年と同等です。(アップトゥデイトは、このレースで2着)　そのレベルならば、北海道2歳優駿で2～4着を門別勢が独占したように、例年よりもレベルが高い地方勢にもチャンスがあるでしょう。

　そこで◎には、ダ1200ｍのＪＲＡ認定ウィナーズを2度圧勝した(3)ローズジュレップを推します。前走のサッポロクラシックＣ(門別の重賞)では、フライングショットの2着に敗れたものの、タフな馬場を前半34秒9-後半3Ｆ40秒2で逃げて0.1秒差ならば、負けて強しと言える内容。また、前走で厳しい流れを経験したことによる今回でのアドバンテージもあるでしょう。

　ちなみに今年は川崎の鎌倉記念をストーンリバー(次走・北海道2歳優駿で接戦の4着)が制しましたが、同馬が9月の北海道米LOVE特別で2～4着に降した相手を、ローズジュレップは9月のJRA認定ウィナーズでぶっちぎっています。少なくともストーンリバーと同等レベルの能力はあるでしょう。実際に前走のサッポロクラシックＣを指数化すれば、鎌倉記念と同等レベルに値します。今回は、北海道2歳優駿で後続勢をちぎり倒したエピカリスのような絶対的な馬はいませんから、ローズジュレップでも通用する可能性が高いと見ました。おおよそハングリーベンくらいの能力はあるでしょう。あとは逃げ馬が揃った展開がどうかだけです。

　　○は、デビューから一戦ごとに力をつけて、前走のなでしこ賞を制した(9)ハングリーベン。キャリアが豊富なことが嫌われているようですが、前走で速い流れを正攻法で押し切ったように、現時点で能力順をつけるとすればハングリーベン、ローズジュレップ、ゲキリン、ネコワールドで、一歩リードの存在であることは確か。逃げ馬揃いで展開にも恵まれる可能性が高いので、無難な選択をするならばこの馬本命というのもありでしょう。

　▲は、ダートで2戦2勝の(12)ネコワールド。前走のヤマボウシ賞では○ハングリーベンを2着に降して勝利しており、ダートでは底を見せていません。キャリアも浅いだけに上昇度が見込めるでしょう。

　以下特注馬として、デビュー2戦目の前走なでしこ賞で2着の(5)ゲキリン。前走のなでしこ賞は4コーナーで前が壁になり、仕掛けが遅れたことことが結果オーライの2着でした。前バテを差した内容はそこまで高い評価は出来ませんが、キャリアの浅い馬だけに今回での上積みは見込めます。

　あとは△に今回が初ダートになりますが、2014年の関東オークス馬エスメラルディーナの半妹(7)アズールムーン。芝で持久力を生かすレースぶりから、ダートもこなせる下地があるように思われ、軽視できないという結論に達しました。