名古屋競馬場で施行されているダートグレード競走のなかでは最も歴史が古く、1977年の創設時から変わらずにダート1900mが舞台となっている。2007年には3連単37万馬券の高配当が飛び出していたものの、人気で見れば5番人気、4番人気、1番人気の順で決着していたように、上位人気馬自体は大崩れしない傾向にあることが最大の特徴。前走レース別では佐賀記念が中心となる一方で、中央のオープンや3勝クラス（かつての1600万下）など好走例は多岐にわたるため、臨戦過程よりも勢いや充実ぶりを評価すべきだろう。なお、地方所属馬は2003年マルカセンリョウ（愛知）を最後に勝利から遠ざかっており、2004年クーリンガーからJRA所属馬の連勝が止まらず今日に至る。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】

過去20年、1番人気が圧倒的な成績を残しており、勝率および連対率はダートグレード競走のなかでも屈指の数値を誇る。ただし、2016年にJRA所属馬の出走枠が4頭から5頭へと増えた影響か、近年の1番人気は少し安定感に欠けるところがあり、2017年モルトベーネは9頭立ての少頭数で施行されたにもかかわらず馬券圏外の4着に敗れ、2020年ナムラカメタローも3着止まりだった。また、以前であれば1～5番人気のなかで取捨選択をすれば良かったが、2017年3着カツゲキキトキト、2018年3着キーグラウンドと6番人気の馬が馬券に絡み始めていることにも気を配りたい（以下、文中のデータはいずれも2002年以降）。

◆人気別成績（過去20年）

【脚質】

名古屋大賞典は2コーナー奥からスタートする1900m戦。名古屋競馬場は1周1100m、直線距離は日本の競馬場で最も短い194mとなっているため、小回りのコースを器用に立ち回れる機動力とスピードの有無が明暗を分けることになる。総じて逃げ・先行馬にアドバンテージが生まれやすく、コースレイアウトが似ている佐賀記念の好走馬が幅を利かせていることにも合点がいく。最初のコーナーへの入り方で勝敗が決すると言っても過言ではなく、最低でも4番手以内に位置を取れないと勝ち負けまでは難しい。

◆脚質別成績（過去20年）

【枠順】

5枠が勝率で最高値を記録しており、勝利数においても最多となる6勝を挙げている。2枠と4枠も好走率で5枠に引けを取らないが、その間に挟まれる3枠は不振。先述の通り上位人気馬と下位人気馬の好走率の差も大きいだけに、人気の偏りが枠順別成績に与える影響も少なくないが、2番人気以下で複数回勝利実績のある枠順は5枠に限られ、9頭のうち3頭が同枠順に該当することも念頭に置きたい。

◆枠順別成績（過去20年）

【所属】

JRA所属馬は目下18連勝中と勢いが止まらず、2着は17回、3着も18回を数える。一方で、地方所属馬の好走例は2017年3着カツゲキキトキト（愛知）を最後に久しく、同馬の好走自体も2008年2着アルドラゴン（兵庫）以来となる9年ぶりのことだった。地方所属馬の勝利例は出走資格変更前の2003年マルカセンリョウ（愛知）まで遡らなければならず、2016年にJRA所属馬の出走枠が4頭から5頭へと増えたことを踏まえても、素直にJRA所属馬から馬券の組み立てを考えるべきだろう。

◆所属別成績（過去20年）

【前走】

◆前走成績（過去6開催）