チャンピオンズカップや東京大賞典と並び、秋競馬を代表する古馬ダート中距離路線の王者決定戦。錚々たる顔ぶれが歴代優勝馬として名を連ねているとおり、奇をてらう戦法が奏功するようなことはなく、むしろ上位人気に推される実績馬が力の違いをまざまざと見せつける傾向にある。基本的な臨戦は帝王賞から休み明けで挑むか、日本テレビ盃をプレップレースとするかの二択で、どちらにしても前走で3着以内に好走する程度のレベルにないと上位争いまでは厳しいだろう。騎手においてはヴァーミリアンとスマートファルコンで5連覇（2007～2011年）を果たすなど、武豊騎手が通算8勝の大記録を保持。また、調教師ではアドマイヤドンとタイムパラドックスで5連覇（2002～2006年）を達成した松田博資厩舎が最多勝利記録を打ち立てている（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）。

【人気】

過去20年、1着および2着馬はいずれも1～6番人気のなかから出ており、これはレースが創設された2001年以降でみても同様のことがいえる。ただし、7番人気は4度の3着があるように、高配当をもたらすヒモ穴として一考すべきだろう。なお、8番人気以下は軽視が妥当といえる成績で、2005年3着レイナワルツ（9番人気）が唯一の好走例となっている（以下、文中のデータはいずれも2003年以降）。

◆人気別成績（過去20年）

【脚質】

古馬ダート中距離路線のチャンピオンを決めるにふさわしく、どの競馬場においても正攻法の立ち回りで強さを見せられる馬でないと勝ち負けまでは難しい。なお、ペースについていけない馬から脱落していくレース質は、本馬アメリカのブリーダーズカップを彷彿とさせるものがある。圧巻は2着馬に1秒3差を付ける逃げ切り勝ちを収めた2010年の勝ち馬スマートファルコン。これはレース史上最大のタイム差としても記録されている。

◆脚質別成績（過去20年）

【枠順】

持ち回り開催のため、一緒くたに枠順別成績の良し悪しは決められないが、8枠が最多となる5勝を挙げている。南関東（大井・川崎・船橋・浦和）で開催されたときほど外枠の優位性が高まっており、同4場開催時の1枠や2枠は過信禁物とみるべきだろう。とくに大井開催時は、2007年ブルーコンコルド（2枠4番）、2017年アウォーディー（1枠1番）と1番人気でも馬券圏外の4着に敗れている。

◆枠順別成績（過去20年）

【所属】

JRA所属馬が第1回（2001年）から20連勝と地方所属馬を圧倒してきたが、第21回（2021年）に船橋所属のミューチャリーが勝利したことで連勝記録に終止符が打たれた。なお、それ以前も含めて、地方所属馬として連対した延べ5頭（2001年マキバスナイパー、2004年アジュディミツオー、2007＆2010年フリオーソ、2021年ミューチャリー）がいずれも船橋所属であることは興味深い。「地方所属馬」という括りで一緒くたにせず、予想をするうえでは所属にも注目すべきだろう。

◆所属別成績（過去20年）

【前走】

◆前走成績（過去7開催）