3歳限定のダートグレード競走のなかでは唯一となる牝馬限定戦で、古馬の牡馬混合戦を含めても数少ない2100mという長距離で行われる。そのため3歳牝馬にとっては苦しい展開になりやすく、大きく着差の付いたレース結果になることも珍しくない。JRA所属馬は伏竜ステークスや鳳雛ステークス、兵庫チャンピオンシップといった牡馬混合のオープン特別やリステッド競走からの臨戦が主流となり、地方所属馬は南関東牝馬三冠の2戦目となる東京プリンセス賞で上位入線を果たしていた馬が中心となっている。特異な施行条件であるがために人気順通りに決まらないことが多く、波乱含みの一戦になることも念頭に置かなければならない（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）。

【人気】

過去20年、勝ち馬の内訳を人気別に見ると、1番人気が8勝、2番人気が5勝、3番人気が2勝、4番人気が4勝となっている。1～4番人気で19勝を挙げていることから、過度な人気薄の1着付けは避けるべきだろう。一方、5番人気以下で勝利した唯一の馬は2018年ハービンマオ（6番人気）で、意外にもJRA所属馬が波乱の立役者となっていた。ほか、指定交流競走となった2000年以降でも1～3番人気の組み合わせで決まったことは2013年の一度しかないため、馬券自体は4番人気以下を絡めた買い目づくりを積極的に行っていきたい（以下、文中のデータはいずれも2003年以降）。

◆人気別成績（過去20年）

【脚質】

2100mという長丁場ではあるものの、逃げ・先行馬が息を入れやすいコース形態から脚質別成績でも前々で立ち回れる馬が好成績を収めており、スタートしてから最初のコーナーまでのポジション争いで明暗が分かれると言っても過言ではない。そのため出脚が鈍い馬の場合は道中のどこかで位置を押し上げなければならず、最後の直線で勝負を仕掛けるようでは着拾いが精一杯となってしまう。なお、当該コースで行われる川崎記念やエンプレス杯にも同様の傾向が見受けられるが、3歳牝馬にとってはタフな条件ということもあり、それらのレースよりも逃げ切り勝ち自体は少なくなっている。

◆脚質別成績（過去20年）

【枠順】

5枠が最高勝率かつ最多となる7勝を挙げており、連対率でも最高値を記録。また、隣の4枠が単勝回収率および複勝回収率で1位となるため、馬券妙味の観点からは真ん中付近の枠順に注目すべきだろう。なお、テンの速力がある馬や立ち回りの巧さを最大の武器としている馬であれば内枠がアドバンテージとなるものの、やはり位置取りを悪くしたり、窮屈な競馬を強いられたりするデメリットも同居するため、基本的には道中自由に動けるメリットを活かしやすい外目の枠順がベターとなる。一方で、距離ロスを最小限に抑えられる1枠が複勝率で1位、複勝回収率では2位となることも気に留めておきたい。

◆枠順別成績（過去20年）

【所属】

JRA所属馬の17勝に対して地方所属馬は3勝にとどまるものの、2着数ではJRA所属馬が12回、地方所属馬が8回と差が縮まっており、3着数ではJRA所属馬が9回、地方所属馬が11回と形勢が逆転している。関東オークスはGRANDAME-JAPAN 3歳シーズンの最終戦に位置付けられていることから、地方所属馬はひとつでも上の着順を目指そうとする気概があり、とくに南関東所属馬にとっては南関東牝馬三冠にも組み込まれた特別な存在となっている。

◆所属別成績（過去20年）

【前走】

◆前走成績（過去6開催）