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地方競馬では唯一となる国際G1の格付けを持つ暮れの大一番。“チャンピオンディスタンス”と称されるダート2000mが舞台となるため、紛うことなき下半期のダートチャンピオン決定戦として位置付けられている。2014年以降はチャンピオンズカップからの臨戦となる馬が圧倒しており、それ以前もジャパンカップダートやJBCクラシックなど、勝ち馬はもちろんのこと、好走馬の大半が前走でG1やJpn1といった格の高いレースに出走していた。ただし、連勝で勝利をつかむ馬は思いのほか少なく、ほどよく負けていた馬が巻き返す傾向にあることも特徴のひとつとなっている。つまり、はじめから東京大賞典を目標としていたか否かを見定めることも重要で、流動的に参戦する馬においては過信禁物といえるだろう。なお、地方所属馬は同年の浦和記念1~2着馬および勝島王冠1着馬に本競走の優先出走権が与えられており、2001年にはトーホウエンペラー(岩手)が彩の国浦和記念(現在の浦和記念)2着から勝利を手中に収めてみせた(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)。
過去20年、勝ち馬の大半が1~3番人気の支持を受けた上位人気で、4番人気以下の勝利例は2005年アジュディミツオー(4番人気)、2016年アポロケンタッキー(5番人気)の2頭。そのなかで1番人気は2014~2019年まで5連敗と精彩を欠いていたが、オメガパフュームが2020年に単勝1.3倍、2021年に単勝1.8倍の断然人気に応えてレース史上初となる3連覇&4連覇の偉業を達成している。ほか、地方所属馬が過剰不人気になりやすく、2019年5番人気2着ノンコノユメ(大井)、同じく4番人気3着モジアナフレイバー(大井)は同年の帝王賞でも5着以内に好走した実績を持っていた。2014年に8番人気ながら3着に好走し、波乱の立役者となったサミットストーン(船橋)においても、前走浦和記念でJRA所属馬を一蹴している(以下、文中のデータはいずれも2004年以降)。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人 | 8-5-4-3 | 40.0% | 65.0% | 85.0% | 64.5% | 93.5% |
2人 | 5-6-3-6 | 25.0% | 55.0% | 70.0% | 78.5% | 89.0% |
3人 | 5-3-3-9 | 25.0% | 40.0% | 55.0% | 104.5% | 78.0% |
4人 | 1-1-4-14 | 5.0% | 10.0% | 30.0% | 25.5% | 64.5% |
5人 | 1-2-1-16 | 5.0% | 15.0% | 20.0% | 81.5% | 56.5% |
6~9人 | 0-3-5-72 | 0.0% | 3.8% | 10.0% | 0.0% | 49.1% |
10人~ | 0-0-0-91 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
東京大賞典が行われるダート2000mでは大井競馬場の外回りコースが使用される。直線距離が385.8mと非常に長く、小回りコースの多い地方競馬場のなかでは特異な舞台といえるだろう。そのため、差し馬が台頭しやすい傾向にあり、直線一気の派手な追い込みが決まることも珍しくない。対照的に逃げ切り勝ちを収めた馬のうち、アジュディミツオー(2004~2005年)とスマートファルコン(2010~2011年)は2連覇も達成しているため、よほどの舞台適性がなければ厳しい様子もうかがい知れる。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 4-2-1-13 | 20.0% | 30.0% | 35.0% | 61.0% | 57.0% |
先行 | 9-13-9-26 | 15.8% | 38.6% | 54.4% | 57.0% | 114.2% |
差し | 5-5-7-74 | 5.5% | 11.0% | 18.7% | 21.8% | 30.3% |
追込 | 1-0-0-86 | 1.1% | 1.1% | 1.1% | 2.0% | 1.3% |
不明 | 1-0-3-12 | 6.3% | 6.3% | 25.0% | 29.4% | 65.0% |
大外の8枠が最多となる6勝を挙げており、勝率・複勝率においても最高値を記録。なお、7枠が連対率と複勝率で3位となるため、総じて外目の枠順を狙いやすい傾向が見受けられる。一方で、内目の枠順は上位人気馬でも過信しづらく、1枠は1999年ワールドクリーク(1枠2番)、2枠は2002年ゴールドアリュール(2枠4番)を最後に勝利から遠ざかっていることを念頭に置くべきだろう。その最たる例として、2008年には当時ダート路線で絶対王者の立場にあったヴァーミリアン(1枠1番)が、カネヒキリ(8枠9番)の後塵を拝し、単勝1.6倍の支持に応えられず2着に敗れている。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0-2-1-21 | 0.0% | 8.3% | 12.5% | 0.0% | 49.2% |
2枠 | 0-2-2-23 | 0.0% | 7.4% | 14.8% | 0.0% | 21.5% |
3枠 | 3-0-3-26 | 9.4% | 9.4% | 18.8% | 32.8% | 47.8% |
4枠 | 3-5-2-25 | 8.6% | 22.9% | 28.6% | 27.1% | 42.9% |
5枠 | 3-1-1-32 | 8.1% | 10.8% | 13.5% | 13.8% | 15.1% |
6枠 | 2-2-4-29 | 5.4% | 10.8% | 21.6% | 14.6% | 33.8% |
7枠 | 3-5-3-28 | 7.7% | 20.5% | 28.2% | 57.2% | 65.4% |
8枠 | 6-3-4-27 | 15.0% | 22.5% | 32.5% | 45.3% | 60.3% |
当該期間における地方所属馬による優勝例は、2004~2005年と2連覇を果たしたアジュディミツオー(船橋)に限られる。近年はJRA所属馬の独擅場となっているものの、2019年ノンコノユメ(大井)、2020年カジノフォンテン(船橋)と2年連続で南関東所属馬が2着に好走。後者においては2010年2着フリオーソ(船橋)以来、10年ぶりとなる生え抜きの地方所属馬による連対でもあった。また、2011年に国際G1の格付けを得たことで、2014年にはアメリカからソイフェット/Soi Phetが参戦(肺出血の影響で大差シンガリ負け)。大井競馬場で行われる重賞競走への外国馬調教馬の出走例は、2011年サンタアニタトロフィーに出走したレッドアラートデイ/Red Alert Day以来となる2例目の出来事となった。
◆所属別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
JRA | 18-16-18-69 | 14.9% | 28.1% | 43.0% | 51.4% | 77.0% |
地方 | 2-4-2-141 | 1.3% | 4.0% | 5.4% | 5.8% | 15.0% |
その他 | 0-0-0-1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
◆前走成績(過去5開催)
年 | 馬名 (着順) |
前走 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
レース名 | 距離 | 人気 | 着順 | |||
23 | 1 | ウシュバテソーロ | 日本テレビ盃 | ダ1800 | 1 | 1 |
2 | ウィルソンテソーロ | チャンピオン | ダ1800 | 12 | 2 | |
3 | ドゥラエレーデ | チャンピオン | ダ1800 | 9 | 3 | |
22 | 1 | ウシュバテソーロ | カノープスス | ダ2000 | 1 | 1 |
2 | ノットゥルノ | チャンピオン | ダ1800 | 5 | 8 | |
3 | メイショウハリオ | JBCクラシ | ダ2000 | 3 | 5 | |
21 | 1 | オメガパフューム | JBCクラシ | ダ2100 | 2 | 2 |
2 | クリンチャー | チャンピオン | ダ1800 | 8 | 14 | |
3 | ウェスタールンド | 浦和記念 | ダ2000 | 2 | 4 | |
20 | 1 | オメガパフューム | JBCクラシ | ダ2000 | 2 | 2 |
2 | カジノフォンテン | 勝島王冠 | ダ1800 | 4 | 1 | |
3 | ウェスタールンド | 浦和記念 | ダ2000 | 2 | 3 | |
19 | 1 | オメガパフューム | チャンピオン | ダ1800 | 4 | 6 |
2 | ノンコノユメ | 勝島王冠 | ダ1800 | 2 | 2 | |
3 | モジアナフレイバー | 勝島王冠 | ダ1800 | 1 | 1 |