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秋のダートG1・Jpn1戦線の開幕を告げるのが、盛岡競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ南部杯。左回りのダート1600mという舞台設定からフェブラリーSやかしわ記念との関連性も高く、レース史上初となる3歳制覇を飾ったルヴァンスレーヴにおいても全日本2歳優駿やユニコーンSで類する実績を残していた。なお、その3歳馬による例外を除けば、2002年以降の勝ち馬はいずれも同年のフェブラリーSに出走歴(枠順確定後の出走取消含む)があることもポイントといえるだろう。すでにG1・Jpn1で実績のある馬が強さを見せる一方で、1番人気は近年こそ勝利例が増えているものの、どちらかといえば1着付けを過信できない傾向にある。思いのほか連単系の馬券は配当妙味を求めやすく、2010年においては単勝1.0倍のエスポワールシチーが2着に入ったにもかかわらず、3連単は130万円を超える高額払い戻しとなった。(各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります)
過去20年、1番人気が9勝、2番人気が7勝となり、1~2番人気で勝ち馬の大半を占めている。一方で、長らく5番人気以下からの優勝例はなかったが、2020年にアルクトスが6番人気で勝利。2016年からJRA所属馬の出走枠が増えたことで、上位人気馬が断然とは言い難くなりつつある。2019年においても単勝1.3倍のゴールドドリームが3着に敗れ、勝利したのは4番人気で単勝16.5倍をつけたサンライズノヴァだった(以下、文中のデータはいずれも2003年以降)。
◆人気別成績(過去20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人 | 9-6-2-3 | 45.0% | 75.0% | 85.0% | 89.0% | 93.5% |
2人 | 7-4-3-6 | 35.0% | 55.0% | 70.0% | 120.5% | 88.5% |
3人 | 1-2-3-14 | 5.0% | 15.0% | 30.0% | 25.5% | 46.5% |
4人 | 2-2-3-13 | 10.0% | 20.0% | 35.0% | 183.5% | 59.5% |
5人 | 0-1-5-14 | 0.0% | 5.0% | 30.0% | 0.0% | 70.5% |
6~9人 | 1-5-3-72 | 1.2% | 7.4% | 11.1% | 8.5% | 44.1% |
10人~ | 0-0-1-105 | 0.0% | 0.0% | 0.9% | 0.0% | 32.6% |
マイルチャンピオンシップ南部杯が行われるダート1600mは、コーナー2回のワンターンコースで、向正面2コーナー奥の引き込み線からスタート。最初のコーナーまでの距離が900mと非常に長いことからスローペースになりやすく、2012年2着ダイショウジェット(6番人気)、2017年2着ノボバカラ(7番人気)、2020年1着アルクトス(6番人気)、2021年2着ヒロシゲゴールド(7番人気)、2022年2着へリオス(6番人気)など、人気薄の先行馬が穴をあけやすい傾向にある。勝ち馬においても4コーナーを先頭、もしくは2番手で回ってくる場合がほとんどで、最後の直線だけで二転三転するような結果にはなりにくい。
◆脚質別成績(過去20年)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 10-8-2-11 | 32.3% | 58.1% | 64.5% | 163.9% | 140.6% |
先行 | 9-8-11-24 | 17.3% | 32.7% | 53.8% | 72.5% | 153.1% |
差し | 1-3-7-82 | 1.1% | 4.3% | 11.8% | 2.3% | 18.1% |
追込 | 0-0-0-98 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
不明 | 0-1-0-12 | 0.0% | 7.7% | 7.7% | 0.0% | 15.4% |
勝利数では2枠、6枠、7枠が最多タイとなる5勝で並ぶ。なお、1枠と5枠は指定交流競走になってからいまだに勝ち馬を出せておらず、2018年には単勝1.6倍の1番人気に推されたゴールドドリーム(5枠7番)も勝ちあぐねた。また、最たる例は2010年のエスポワールシチー(3枠3番)といえるが、圧倒的な人気馬でも、内で閉じ込められてしまうと直線だけで挽回することは難しい。したがって、脚質や展開も考慮したうえで、枠順別成績の良し悪しも考えるべきだろう。
◆枠順別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0-1-2-22 | 0.0% | 4.0% | 12.0% | 0.0% | 31.6% |
2枠 | 5-2-0-22 | 17.2% | 24.1% | 24.1% | 102.1% | 53.1% |
3枠 | 0-3-3-30 | 0.0% | 8.3% | 16.7% | 0.0% | 25.8% |
4枠 | 1-5-2-29 | 2.7% | 16.2% | 21.6% | 13.5% | 40.0% |
5枠 | 0-3-4-33 | 0.0% | 7.5% | 17.5% | 0.0% | 120.8% |
6枠 | 5-2-1-32 | 12.5% | 17.5% | 20.0% | 28.8% | 25.3% |
7枠 | 5-1-3-31 | 12.5% | 15.0% | 22.5% | 43.0% | 44.3% |
8枠 | 4-3-5-28 | 10.0% | 17.5% | 30.0% | 68.3% | 46.3% |
近年はJRA所属馬が上位を独占する結果が続いていたが、2020年には大井所属のモジアナフレイバーが7番人気3着と健闘。地方所属馬の馬券圏内への入線は2010年3着グランシュヴァリエ(高知)以来となる10年ぶりのことだった。なお、指定交流競走となってからの地方所属馬による優勝例は1998年メイセイオペラ(岩手)、2002年トーホウエンペラー(岩手)の2頭。2002年においては、1着トーホウエンペラー(岩手)、2着バンケーティング(岩手)、3着マキバスナイパー(船橋)と地方所属馬がJRA所属馬を一蹴している。
◆所属別成績(過去20年)
枠順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝 回収率 |
複勝 回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
JRA | 20-19-17-69 | 16.0% | 31.2% | 44.8% | 72.5% | 78.4% |
地方 | 0-1-3-158 | 0.0% | 0.6% | 2.5% | 0.0% | 27.2% |
◆前走成績(過去7開催)
年 | 馬名 (着順) |
前走 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
レース名 | 距離 | 人気 | 着順 | |||
23 | 1 | レモンポップ | フェブラリー | ダ1600 | 1 | 1 |
2 | イグナイター | 園田チャレン | ダ1400 | 1 | 1 | |
3 | レディバグ | サマーチャン | ダ1400 | 3 | 3 | |
22 | 1 | カフェファラオ | 安田記念 | 芝1600 | 10 | 17 |
2 | ヘリオス | さきたま杯 | ダ1400 | 1 | 5 | |
3 | シャマル | テレ玉杯オー | ダ1400 | 1 | 1 | |
21 | 1 | アルクトス | さきたま杯 | ダ1400 | 1 | 1 |
2 | ヒロシゲゴールド | クラスターカ | ダ1200 | 2 | 3 | |
3 | ソリストサンダー | エルムステー | ダ1700 | 2 | 10 | |
20 | 1 | アルクトス | エルムステー | ダ1700 | 6 | 6 |
2 | モズアスコット | かしわ記念 | ダ1600 | 1 | 6 | |
3 | モジアナフレイバー | 千葉ダートマ | ダ1600 | 1 | 1 | |
19 | 1 | サンライズノヴァ | プロキオンス | ダ1400 | 6 | 4 |
2 | アルクトス | プロキオンス | ダ1400 | 2 | 1 | |
3 | ゴールドドリーム | かしわ記念 | ダ1600 | 2 | 1 | |
18 | 1 | ルヴァンスレーヴ | ユニコーンス | ダ1600 | 1 | 1 |
2 | ゴールドドリーム | フェブラリー | ダ1600 | 1 | 2 | |
3 | メイショウウタゲ | エニフステー | ダ1400 | 12 | 1 | |
11 | 1 | トランセンド | フェブラリー | ダ1600 | 1 | 1 |
2 | ダノンカモン | エニフステー | ダ1400 | 2 | 1 | |
3 | シルクフォーチュン | BSN賞 | ダ1200 | 2 | 3 |