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かしわ記念(G1)は復活の古豪インカンテーションに要注意! 「G3で終わるはずがない」2度の骨折を乗り越えた不屈がリベンジを果たす!─Gambling Journal ギャンブルジャーナル/ 2017年5月3日 8時2分
http://biz-journal.jp/gj/2017/05/post_3284.html
「早い内からG3で終わるはずないと思っていましたが、今も変わりません」
今年2月のフェブラリーS(G1)前のことだった。インカンテーションの羽月友彦調教師が力説していたことを覚えている。
『スポーツ報知』の取材に応えた羽月調教師は「歯車が狂った分、結果に結びついていないけど馬自体は良いんです。いつ結果が変わっても驚きません」と管理馬のコンディションに関してコメント。いつも控えめで慎重なコメントが目立つ師だけに、大穴の一角にも関わらず強気な姿勢が印象に残っていたのだ。
残念ながら、そのフェブラリーSではオーバーペースで逃げたことで13着に大敗したが、師の言葉が証明されたのが、前走のマーチS(G3)だった。
57.5㎏という酷量を背負わされながら、番手を追走したインカンテーションは最後の直線入り口で先頭集団を射程圏に捉えると、先に抜け出したアスカノロマンを猛追。しぶとく競り落としてディアデルレイとの叩き合いを制すると、後続を完封して4つ目の重賞タイトルを手にした。
重賞3勝馬が単勝10番人気だったという事実が、この馬の歯車が如何に狂っていたのかを物語っている。
一昨年の平安S(G3)を勝つまでは、まさに順風満帆だった。前走のフェブラリーSを2着してからのG3制覇。秋には間違いなくダートの頂上決戦に割って入ってくる存在と見られていたが、その矢先に骨折。その年の全休を余儀なくされた。
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帰ってきたのは年明けの昨年1月、フェブラリーSに向け東海S(G2)で復帰したインカンテーションは、長期休み明けにもかかわらず強豪を押し退け、3番人気に支持されていた。
しかし、結果は11着大敗。スタートの出足が鈍く中団からの競馬を余儀なくされ、勝負所で好位に押し上げたが、早々に一杯になった。いかにも休み明けといった内容だったが、その後またも骨折が発覚。再び長期休業を余儀なくされた。
2度目のカムバックを果たしたのは、昨年11月のみやこS(G3)だった。今度は番手からいつもの競馬に持ち込んだものの、やはり早々に息切れ。ズルズルと後退し、8着に惨敗した。
その後、叩き2走目としての上昇が見込まれて4番人気に支持された今年の東海Sで、またも12着に大敗。スタートで出遅れた上に他馬との接触と敗因は明確だったが、さすがに大方のファンの関心も途絶えたのか、フェブラリーSではブービーの15番人気となっていた。
「歯車が狂った分、結果に結びついていないけど馬自体は良い」
例えば、先月引退したメイショウマンボであり、期待された今年の阪神大賞典や天皇賞・春で、やはり見せ場なく終わってしまったワンアンドオンリーであり......陣営が前向きな主張を繰り返しても、結局復活できないままでいる馬も多い。だが、インカンテーションは帰ってきた。
「57.5kgを背負っての勝利だから決してフロックではないはず。やはり能力は高い馬だよ」
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見事な復活を遂げたマーチS後、騎乗した勝浦正樹騎手がそう話したように、本来の力さえ戻ればここでは格の違いを感じさせる内容だった。一昨年のフェブラリーSで勝ったコパノリッキーに食い下がり、最後まで苦しめた"あの"インカンテーションが帰ってきたのだ。
5日に行われる交流G1かしわ記念。3月の名古屋大賞典(G3)で補欠馬にさえ選ばれなかった本馬がここに出走できたのも、マーチSの勝利があったからこそ。"幸い"にもコパノリッキーはまだ健在であり、あの時の借りを返すチャンスが巡ってきた。
他にもベストウォーリアやモーニンなど強豪がそろっているが今の、いや、全盛期のインカンテーションであれば打ち負かす可能性は十分にあるといえるだろう。
2度の骨折を乗り越えた7歳の古豪に、遅まきながら最大のチャンスが巡ってきた。