ここはまず懺悔から入らなければならない。ダービーが終わった瞬間に気付いたのだが、今年の春はどうにもサトノダイヤモンドが好き過ぎた。サトノダイヤモンドが好き過ぎて、目が曇っていた。サトノダイヤモンドについては早くから「瞬発力不足の懸念」を提示していたのだが、もう途中からそういうのは無視して、気づかないフリをして瞬発力勝負のダービーで◎を打ってしまった。

直線を一瞬で抜けてきたマカヒキとの差、あれは間違いなく「瞬発力の差」だった。ダービーでのマカヒキは、狭いところ、サトノダイヤモンドの半馬身ほど後ろから、一瞬で半馬身ほど前に。そのあと（マカヒキが瞬発力を使い果たしたあと）サトノダイヤモンドはジリジリと差を詰めてハナ差まで詰め寄ったところがゴールだったのだが、ダービーはそういうレースではない。瞬発力の差。それを見せられた時点で、サトノダイヤモンドは完敗だったと思う。

東京芝２４００ｍと阪神芝２４００ｍはコース形状からラップ適合性が高く、しかも東京より差しが利く。相手も弱化ということで、ダービー馬にとっては非常にイージーなレースとなることが多い。

ラップギアのコース適性値で言うと、東京芝２４００ｍも阪神芝２４００ｍも「瞬８平２消０」。右回りとか左回りとか関係なく、ほぼ同一と言っても差し支えのないコースだ。特に直線の長いコースでは、直線ずっと同じ手前で走っているワケでもあるまいし。

だから基本はガチガチ。

繰り返すが、ダービー馬にとっては非常にイージーなレースとなるはずなのだ。ただ、ダービー馬とダービー２着馬は別物。過去の神戸新聞杯を見てもダービー馬が４戦３勝（２着１回）であるのに対し、ダービー２着馬は６戦２勝。ダービー３～５着馬も６戦２勝。勝率３３％は十分な高確率なのだが、(14)サトノダイヤモンドはマカヒキに明らかな瞬発力の差を見せられているだけに、そこを無視するわけにもいくまい。

しかし、どうだろう。瞬発力の勝負になったとして、(14)サトノダイヤモンドが(７)エアスピネルや(８)ナムラシングンに瞬発力で劣るとも思えない。可能性があるとすれば、デイリー杯２歳Ｓ時の(７)エアスピネル、もしくはデビューから▼１０以上の瞬発戦で２連勝した(６)マイネルラフレシアとか？

この馬の不幸は東京スポーツ杯２歳Ｓで３着に入った後、平坦戦の京成杯と若葉ステークスを選択して賞金を積み上げられなかったこと。ダービー出走を賭けたプリンシパルＳも２着に終わり、ついにダービーにも出られずじまいだった（現在のプリンシパルＳ、ダービーへの優先出走権は１着馬のみ）。

いかんせん、プリンシパルＳで下した３着馬が次走ラジオＮＩＫＫＥＩ賞を快勝し、先週セントライト記念でもディーマジェスティの小差２着に入ったゼーヴィント。同馬をモノサシに考えれば、瞬発力だけなら世代屈指の存在かも知れなかったのに。

能力的には二枚も三枚も抜けた存在。勝つ可能性が一番高いのは(14)サトノダイヤモンドだと思うのだが、単勝１．４倍？　１．３倍？　ひょっとすると１．２倍？　明らかな弱点が見えている以上、そのオッズに見合うとは思えない。ここは（単勝８番人気の）ダービートライアルでも◎を打った(６)マイネルラフレシアで、もういちどだけ夢を見させてもらおうか。



※印や金額は発走の約１時間前に確定。それまでは変更の可能性があります。
※適性値（ラップギア）や能力値（瞬発指数）について
http://lapgear.net/