予想されるベストの適性値は「４４２」で、平坦戦を想定。
脚質的には差し馬が２５％優勢。

今年で第９回となる新潟名物のアイビスサマーダッシュ。このレースは過去８回の施行で１番人気は１勝（２００４年カルストンライトオ）、そしてこのレースの勝ち馬は次走で１番人気に推されたことがない。つまりは短距離重賞路線の流れを分断する、特殊なレースになっている。

それもそのはず、新潟芝１０００ｍのラップギアコース適性値は「瞬４平４消２」。この新潟以外の、１２００ｍ以下のラップギアコース適性値はすべて消耗タイプの率が突出したものとなっている。特に１０００ｍなどは平均して「瞬０平１消９」、つまり85～94％が消耗戦に分類されるレースになるものなのだ。

しかし、この新潟芝１０００ｍはそれに対しての「瞬４平４消２」。「行くだけ行って粘り込みをはかる」消耗戦で勝ち星を挙げてきた、通常の短距離馬が通用するコースではない。ここは「ひと呼吸で走りきる電撃のスピード比べ」ではなく、「（序盤は速いが）中盤ためての末脚勝負」の流れになりやすいコースということである。

そういった意味では、今年１番人気になりそうな(14)エイシンタイガーと、２番人気になりそうな(12)アルティマトゥーレは、ラップギア適性値が「瞬２平２消２」と「瞬３平３消０」。現在「瞬３平３消０」の(12)アルティマトゥーレにしても、前走まで「瞬２平２消１」だった(14)エイシンタイガーにしても、ずっと（通常の）１２００ｍの馬ではないと考えていた。アイビスＳＤに出てくれば、そこで狙うべきだと。

とは言え、自分が能力を測る基準にしている瞬発指数で１位を取ったのは、前年の勝ち馬でもある(17)カノヤザクラだった。そして、それが少々悩みどころなのである。実はここ最近、重賞では瞬発指数１位の馬が大活躍しているにも関わらず、変に考えすぎてしまって、それが裏目に出てしまうというパターンが続いている。ちょっと例を挙げるなら…

七夕賞　　　　１番人気１着ミヤビランベリ　単勝４．６倍
プロキオンＳ　３番人気１着ランザローテ　単勝５．０倍
ラジオＮＩＫ　５番人気１着ストロングガルーダ　単勝１０．１倍
函館ＳＳ　　　８番人気２着タニノマティーニ　単勝１７．３倍
など。

今回の(17)カノヤザクラとて、瞬発戦は１戦１勝、「▼６▼６△５」のオープン特別を勝って重賞戦線に加わってきた馬だ。前年アイビスＳＤ出走時のラップギア適性値は「瞬１平３消１」であり、平坦、瞬発戦を走れない馬ではない。ここで重箱の隅を突付いて(17)カノヤザクラを切るか否か。そういった経緯もあって、今回は１位を信じてこのまま本命に推奨としてみたい。(７)シャウトラインや(15)コスモベルは、ちょっと違うような気がするが。



※　適性値の３数字はラップタイムから考えられる適性を「瞬発、平坦、消耗戦」に分け
て数値化したもの。数の大きいものが良いわけではなく、あくまで適性のバランスのみを
表す。３数字の比率がレースの適性値に近いほど有利。能力値は、ラップタイムから考
えられる基礎能力を数値化したもの（瞬発指数）。

※適性値や「▼４▼４△７」等の意味については、単行本「ラップギア」をご覧ください。
http://item.rakuten.co.jp/book/5374176/