本日川崎の勝負レースは、川崎スパーキングスプリント

2年前に新設となった、このレース。900メートルというスーパースプリント戦で、一瞬で決まってしまう電光石火のスピード勝負

まずは、重賞昇格以降の過去2カ年におけるラップタイムを見てみたい

2022年
6.7 - 10.2 - 11.3 - 12.0 - 13.2

2021年
6.3 - 10.4 - 11.6 - 12.2 - 11.9

見ての通り、このレースは、スタートから一貫して減速ラップとなっていく。

2年の違いは、最後の200メートルが加速ラップになっているか、減速ラップになっているかだが、これは、有力馬の多くが勝ちにいって引かない展開になり、序盤から厳しいレースになったか、それともあわよくばよい着順に入れればというタイプが多く、序盤で息が入る展開になったかという違いによるものと考える。

次に、馬券に絡んだ血統を見ていきたい。

2022年
1着　コパノフィーリング（米国ヘニーヒューズ×米国ファスリエフ）
【ノーザンダンサー系×ノーザンダンサー系】
2着　コウギョウブライト（米国スウェプトオーヴァーヴォード×日本バブルガムフェロー）
【フォーティナイナー系×サンデーサイレンス系】
3着　キモンルビー（日本コパノリチャード×米国サウスヴィグラス）
【サンデーサイレンス系×フォーティナイナー系】

2021年
1着　カプリフレイバー（米国サウスヴィグラス×欧州ファンタスティックライト）
【フォーティナイナー系×レッドゴッド系】
2着　ダンディヴォーグ（米国ヴィットリオドーロ×米国サウスヴィグラス）
【ノーザンダンサー系×フォーティナイナー系】
3着　ポットギル（欧州フリオーソ×米国ディアブロ）
【ロベルト系×ヘイロー系】

血統面においてまず注目したいのは、フォーティナイナー系のサウスヴィグラスの活躍ぶり

もともとサウスヴィグラスは、JRA、NAR双方でダートのトップサイアーとして君臨した名種牡馬であり、ダート短距離において、そのトップスピードを伝える能力に長けた種牡馬だった

また、その祖父のフォーティナイナーは、ダート短距離において、スタートからトップスピードに乗り、そのスピードをゴールまで持続させる能力を伝えることに長けた種馬であり、この舞台での活躍もうなずける。

加えて、注目したいのは、ノーザンダンサー系が2年続けて連対を果たしている点

ノーザンダンサー系の血は、スピードの持続を支える持久力に長けた血統

特にその直仔であるノーザンテーストなどは、血脈の中に入ると、スピードの持続力を支える形で、多くの活躍馬の屋台骨となっているケースが見られる。

これらのことを踏まえると、川崎スパーキングスプリントは、米国のスピードと、それを支えるノーザンダンサー、ノーザンテーストの持続力がバランスよく配合されたタイプに適した舞台ということができそうである。

では、そのことを念頭に置きながら、本日の注目馬を挙げたい

【注目馬①　キモンルビー】

昨年は惜しくも3着だった、勝ったコパノフィーリングとは0.1秒差

2022年の船橋記念を制しており、実績では一枚上の存在

血統的には、母父がサウスヴィグラスで、スピード的な背景は文句なし。加えて、父はサンデーサイレンス系のコパノリチャードだが、コパノリチャードはダイワメジャー産駒で、遡るとノーザンテーストの影響が色濃く出た血脈

この舞台に最適な、米国のスピードと、それを支えるノーザンダンサー、ノーザンテーストの持続力という要素を十分に満たしている。

【注目馬②　コパシーナ】

血統的に魅力を感じるのが、コパシーナ

父ヘニーヒューズ、母父アサティスという血統は、ノーザンダンサー系×ノーザンダンサー系、それも父ヘニーヒューズでのその組み合わせという血統構成で、昨年の勝ち馬であるコパノフィーリングと同系統

もともと、中央の3勝クラスでも勝利まであと一歩と迫るなど、高い能力を見せていた同馬

前走は、初めての距離、馬場に戸惑った感じがあったが、一度川崎の900メートルという舞台を経験した今回は、変わり身を見せてもおかしくないと考える。

血統背景とともに、魅力的な1頭

以上の2頭に加え、船橋記念でそのスピード能力を見せ、重賞初制覇を飾ったティアラフォーカス、テンのスピードは、ここでも上位のプリモパイソン、昨年2着で本年もスプリントで安定した走りを見せ、血統的にもフォーティナイナー系とこの舞台と相性の良いコウギョウブライトなどにも注目して、買い目は組み立てたい