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【ルイビル(米国ケンタッキー州)6日】無敗神話が崩壊した瞬間、スタンドを埋め尽くした大観衆は言葉を失った。19戦無敗を誇っていたゼニヤッタが2着。デビュー以来、初めて黒星を喫し、BCクラシック連覇も夢と散った。
「彼女が一番強い馬と確信している。もし誰かを責めなければならないなら、それは自分だろう」。手綱を取ったスミス騎手の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
最後方から徐々に差を詰めたが、勝負どころで前が壁になる不利。直線で猛追するも頭差及ばなかった。「砂を被るのに慣れていないのも影響したかも」とジョッキー。19勝中17勝は、オールウェザーでマーク。経験の少ないダートの多頭数は、決していい条件ではなかった。今回でラストランの噂もあるが、昨年末には引退を撤回した経緯もあるだけに動向が注目される。
圧倒的1番人気のヒロインを倒したのは、3番人気ブレイム。中団からリズムよく進め、直線で早め先頭へ。最後はゼニヤッタの追撃を振り切りGI3勝目を挙げた。「いつも上手なレース運びをしてくれる馬。小さな隙間を突くように指示して、直線もハミを取って伸びてくれた」とゴメス騎手はパートナーを称えた。