１番人気で皐月賞を制した(８)ロゴタイプを筆頭に、早くからクラシック候補として名前の挙がっていた皐月賞２、３着馬が無事に駒を進める今年の日本ダービー。しかし(１)キズナは、それらをも上回る人気を集める可能性も。決して順調に無敗で来た馬ではない、それほどまでに前２走の決め脚、印象が強烈だったということだろう。

結論から先に言うと、ラップギア的に(１)キズナは全力の“消し”。ここまでに▼10を超えるような瞬発力を見せたこともないし、毎日杯は「▼３△３△７」、京都新聞杯も「▼２▼３△２」の平坦戦決着。一完歩ごとに差を詰める、その脚力は素晴らしいモノを持っているとは思うが、瞬発力勝負の東京向き、ダービー向きとは思えない。京都向きと言えば、間違いなくそうだろう。

瞬発力といえば、(８)ロゴタイプにも同様の不安はある。ラップギア適性値は「瞬３平２消０」と一応の瞬発力は示しているものの、ここまでに▼10を超えるような瞬発力を見せたことはなく、並の瞬発戦ではともかく、究極の瞬発戦たる日本ダービーではどうか。２歳時のベゴニア賞と、前走の皐月賞はレコード勝ち。瞬発馬はレコードになるような流れは得意とはしないはず。

…となれば、皐月賞で２着に敗れた(９)エピファネイアと３着(２)コディーノにとって、この条件替わりはプラスになるはず。現世代は朝日杯フューチュリティＳも、弥生賞も皐月賞も全部平坦戦だった。これが瞬発戦になれば、(８)ロゴタイプを中心とした勢力図は一変するはずだ。

(９)エピファネイアは「瞬２平２消０」だが、瞬発戦は２戦２連対。新馬戦で▼10の加速にも対応しており、瞬発力自体は問題ないと思う。ただ、(９)エピファネイアについてはもうデビュー前から思っていたのだが、父シンボリクリスエスというのが嫌。母シーザリオでも、父シンボリクリスエスが嫌。シンボリクリスエスの産駒は基本的に瞬発力無しと考えているからだ。

しかしそれを言ってしまうと(２)コディーノの母ハッピーパスも「瞬３平４消３」の平坦馬。東京スポーツ杯２歳Ｓで▼13の瞬発力を見せ、瞬発戦３戦３勝の(２)コディーノ。中山平坦戦で負けたからといって評価を落とす必要は何もないと思っていたのだが、(９)エピファネイアの血統を不安に思うなら、(２)コディーノについても同様に考えなければ辻褄が合わないことになってしまう。

すなわち、今年の４強は４頭すべてダービー向きの瞬発力に疑問符が付くということか。もしくは血統的なことには目を瞑って(２)コディーノ、もしくは(９)エピファネイア。２歳秋から、ほんのさっきまで(２)コディーノ以外に考えていなかったのだが、これは困ったことになった。

穴っぽいところといえば(５)メイケイペガスター。これはデビュー戦のスーパーラップ、共同通信杯の勝ち方を見るに、能力的には４強にも劣らない馬だとは思う。しかしそれでも若葉Ｓで見せた掛かり癖、その結果としての皐月賞での最後方からの競馬。これは本当に、マトモに走ってくれるかどうか、イチかバチかの馬になってしまった。

「瞬２平０消０」の(５)メイケイペガスターと同様に、瞬発戦大歓迎の上位馬が「瞬３平０消０」の(７)ヒラボクディープ。ただこの辺りになると、得意な流れになったとしても４強に足りるかどうか。…やっぱり不安を感じつつも(２)コディーノ、もしくは(９)エピファネイアなのか？　(２)コディーノに不安を感じてはいないのだが、思考の辻褄が合わなくなる。

ここは思い切って(５)メイケイペガスター……とも考えたのだが、おそらく今回も最後方から折り合いに専念した競馬。いくら能力のある瞬発馬とはいえ、あまりにもロスがありすぎる。他馬が弱ければ足りかもしれないが、(２)コディーノや(９)エピファネイアを捉えるまでには足りないと思うのだ。散々迷ったが、初志貫徹。東京スポーツ杯２歳Ｓで見せた極上の瞬発力、中山で３度負けても東京なら(２)コディーノだ。



※印や金額は発走の約１時間前に確定。それまでは変更の可能性があります。