この時期の阪神ではかつて鳴尾記念(別定戦)が行われていましたが、7年前にハンデ戦芝1800ｍのチャレンジＣに変更。さらに一昨年から別定の芝2000ｍへ変更。目まぐるしく施行条件が変わるこのレースは、一体、何にチャレンジするのだろうか？　有馬記念の前哨戦としても、例年、メンバーが手薄です。

　ただし、阪神芝1800ｍから阪神芝2000ｍに替わったことで、前からでも押し切りやすくなったのは確か。阪神芝1800ｍは最初の3コーナーまでの距離が約665ｍとストレートが長く、隊列形成が長引くため、何が何でもハナへ行きたい馬は、3コーナー(4F目あたり)まで息を入れられません。目下5連勝で挑んだあのエイシンヒカリに初めて土が付いたのも阪神芝1800ｍ時のチャレンジＣです。

　しかし、阪神芝2000ｍは、スタート直後に坂を上って約365ｍで最初の1コーナーを向かえます。芝1800ｍよりも最初のコーナーまでの距離が約半分。つまり、早い時点で隊列が形成され、ペースが落ちつきやすいということ。実際に過去2年の勝ち馬はサトノクロニカルとエアウインザーで、ともに先行馬です。

　今年もブラックスピネルか、距離を怖がらなければベステンダンクの逃げが濃厚。先行馬も揃ってはいますが、コースと開幕週の馬場を考慮した場合、極端にはペースが上がらないでしょう。スローペースよりの平均ペースで収まりそうな感があります。また、最初のストレートが短いコースは、ロスなく立ち回れる内枠の馬が有利でもあるだけに、内枠の先行馬を主体に予想を組み立てたいです。

　よって、◎には、3歳時にＮＨＫマイルＣをハイペースを前から押し切る強い内容で2着し、中日新聞杯を優勝した実績馬(2)ギベオンを推します。休養明けの前走・毎日王冠は勝ちに行く競馬で7着敗退しましたが、今年の毎日王冠である程度先行していた馬(アエロリット、インディチャンプ、ペルシアンナイト)が次走で好走しているように、タフな流れだったことを考えれば上々の内容。ここは当初からの予定通りの一戦。内枠で展開にも恵まれる可能性が高いだけに本命馬としました。

　○は、昨年の目黒記念・2着、宝塚記念・3着の(10)ノーブルマーズ。この馬はその後がひと息でしたが、3走前の小倉記念では3着、前々走の京都大賞典では5着と善戦。前走のアルゼンチン共和国杯は超絶スローペースで速い上がりが求められた中、4コーナーの大外を回ったやめに掲示板を外しましたが、極端に上がりの速い決着にならなければ、上位争いが濃厚でしょう。

　▲は、目下4連勝目でリステッド競走のポートアイランドＳを制した上り馬(4)ロードマイウェイ。今回は初重賞挑戦になりますが、先行馬でロスなく立ち回れる内枠ということを考えると評価を下げられないでしょう。

　以下特注馬として、休養明けの前走・福島記念でも速い流れを3コーナー手前から動いて2着に粘った(9)ステイフーリッシュ。この馬は今年の京都記念の2着を始め、G3で上位常連の存在。休養明け好走の反動がなければ、ここも上位争いでしょう。

　あとは△に昨年のＮＨＫマイルＣの優勝馬で3走前の安田記念でも先週のマイルＣＳも制したインティチャンプと0.4秒差(7着)に好走の(6)ケイアイノーテック。この馬は先行すると終いが甘くなる面がありますが、今回は陣営が「末脚を生かす競馬に徹する」とコメントしているので、印を打ちました。

　他では、昨年の青葉賞以来、勝ち星から遠ざかっていますが、4走前の目黒記念で4着、前々走のオールカマーでも6着と善戦の(12)ゴーフォザサミット。この馬は好走パターンが常に先行策か捲り。前半ペースが速いと二の脚で置かれますが、今回はそこまでペースが上がらないと見ているので、買い目に加えました。大外枠ですが、序盤で無理に出さずに、道中で動いて行く競馬ならば通用の余地があります。