阪神メーンのアンタレスＳは、ダート１８００ｍのＧⅢ別定戦。このレースで注目されているのはダート転向後３戦全勝の⑨アウォーディーだろう。内容的にも一走ごとに上がってきており、前走などは地方交流重賞を持ったままでの大差圧勝。そのままダート界のトップを取れる逸材ではないかとの声まで挙がっている。

母である２００５年天皇賞馬ヘヴンリーロマンスが渡米して出産した、ジャングルポケットの産駒。兄弟であるラニやアムールブリエと共に、話題性にあふれる６歳のスター候補生である。

しかし⑨アウォーディーのダート３戦ラップを見てみると、１６００万勝ちは通常の１６００万下レベルのラップ。特に際立ったところはなかった。次走・シリウスＳで３番人気に推されたのは、ダートで底を見せていないという期待料も込められていたのだろう。

そして、そのシリウスＳにしても、重賞としては平凡な部類。このラップだけでは「すごい馬が現れた！」とはならないのだが、前残りであるはずの消耗戦ラップ
12.6-11.6-11.2-13.6-13.3-12.6-12.1-12.1-12.4-13.1　　　±０△３△７
“一番厳しい部分”で後方から馬ナリで先頭まで突き抜けたのはちょっとすごいかも。

前走の名古屋大賞典はラップが出ていないのでちょっと分からないのだが、こちらも馬ナリであっただけに、基礎能力の高さは疑いようもない。加えて「瞬７平２消１」のラップギア適性値から、基礎能力だけではなく、瞬発力のオプションを兼ね備えている馬であるとも思われる。

基本的にアンタレスＳは瞬発馬に有利なレースであり、距離適性長めで先行できる馬が活躍しているレース。その条件にピタリ合致する馬も他に見当たらないので、ここは適性的にも⑨アウォーディーには逆らえないか。