久しぶりに勝負馬券の発想法を更新します。
きっかけは、グリーンチャンネルの追い切り映像を見た知人から
何気ない質問を受けたことです。


メインレース以外は遊び程度に止めて、メインしか買わない日が多い状況ですので、
メインレース有力馬の出走馬の追切映像は入念にチェックしています。
コロシアムに記載している重賞予想コメントをご確認いただければ、追切で
評価を上げ下げしていることをご理解いただけるものと思います。




知人の質問内容を要約すると
「差し馬は基本先行馬の外から差してくるのに、（ダートやウッドのトラック調教馬）は
　併せ馬で内側から差す馬ばかりなのか？」

というものです。
競馬に詳しい方でも、理由が即答できない方は少なくないのではないしょうか。

そういえば、トラック調教馬って内側から差してくるケースが大半であることに
気づいたという方も少なくないはずです。


実践に即した稽古という観点では、通常の競馬のように実践を想定して外から被せにいく
調教をした方がいいはず・・・なぜ内から差すのか・・・






競馬関係者には当たり前のことであっても（私も関係者ではありませんが）、
分かりにくいことは少なくないものです。


内から差す理由は、

コーナーを回る際に（前を走る馬の）蹴り上げた砂やウッドチップが遠心力で
外側に向けて飛びます。（レース同様に）外側から被せると、丁度外側から差そうと
追走するクロップの顔面に砂やウッドチップが降りかかることになります。
それを避けるためです。


降りかかるとは書きましたが、実際にはぶつかるというか、、刺さるというのに
近い勢いです。


実際にダートのレースでも逃げ馬以外は他馬の蹴り上げた砂を被りますが、
レース後すぐに出走したクロップは目を洗浄する作業を経て厩舎に戻ります。


砂の場合は、目を洗えば済むケースもありますが・・・
ウッドチップはそうはいきません。最近でもエキストラエンドが目の外傷で
レース直前の調教を軽めにされたことがありました。



ロゴタイプが根岸Ｓでダート初出走した際には、砂を被る練習をわざと行っていましたが、
稽古での事故を極力減らす工夫のひとつとして、トラック調教馬の併せ馬の大半は
コーナーを回って内目から差してくるという（本来のレースとは違う）調教を行っていることが
多くなっています。



追切全般の話に戻ると、、
・直近の調子を図るバロメータ
・陣営の工夫の有無　
・強い負荷をかけたのか、軽めの負荷で済ませたのか
・併せ馬の有無
などを総合的に判断しています。


調子の悪いクロップが好時計を出すことはありませんが・・・メインレースに
出走してくるクロップの多くは優れた競争能力を有しているので、時計そのものは
（それ単体では）あまり馬券の手掛かりにはなりません。


私は追切を見るときには調教師の気持ちになろうと心掛けます。
欠点を改善する調教なのか、ストロングポイントを伸ばす調教なのかを考えたり、
追切の中から勝負気配を読み取ることに力を注ぎます。


休み明けで負荷の強い追切がなければ、叩き台を疑うか、
負荷をかけられない事情を抱えている（気性や飼食い不良、ソエ、調子落ちなど）
ことを疑います。


オープン馬でもミッキーアイルのように気性の問題で併せ馬ができない（できなかった）
クロップも少なくありませんし、カフェブリリアントのように壁を作ってやらないと
暴走と隣り合わせのクロップもいます。

休み明けで「単走馬なり」ばかりだと黄色信号点滅で◎は打てませんし、
尻尾を振りながら走っているようだと、集中していない（できない）ことを
示唆するサインですので、互角の判断のクロップが居れば評価を下げます。

そういうことの積み重ねがハナ差の勝負を分けると考えているので、
馬券を買うときはある程度機械的に淡々とベットしますが、、検討段階では
出来るだけ多くの情報を限られた追切の中に探す作業をしています。


重賞の◎の単複プラス収支を続けてこれたのは、
調教師や騎手の考えを想像して馬券に反映してきたからです。
もちろん全員が勝ちにきていますが、（とくにＧ１）を勝つ人間。
勝つ準備ができる人間は限られていますので、それらの人間に管理・騎乗される
クロップを狙うことプラス収支の近道です。



追切は、勝負気配を掴む最大のツールです。
タイムばかりに注目するのではなく、むしろ手ごたえを確認する。
馬のヤル気を感じる。

馬場状態にあったクロップを絞り込んで、
枠順を利して競馬できる器用さと決め手を秤にかけて
決断する。という作業で◎を導きます。


決断できたときは、大き目にベットできますし、
決断するファクターが乏しいレースはどうしても控えめになります。

全てのＲに納得のいく決断を下すことは不可能ですが、
それに近づく過程を楽しむ感覚です。


グリーンチャンネルを導入されている方は
ぜひ追切から勝負気配を感じ取ってみてください。


長文にお付き合いいただきありがとうございました。