春の天皇賞でまさかの11着大敗を喫した(11)オルフェーヴル。その雪辱に燃える宝塚記念、さすがに天皇賞と比べて単勝支持率は半分以下になりそうだが、それでも１番人気は譲らない構え。ファンは四冠馬の再起を期待しているようだ。

ただ、(11)オルフェーヴルが阪神大賞典で見せた気性は改善されているわけではないし、それを考えると今回も天皇賞(春)と同じく、後方に構えてジックリという戦法を取らざるを得ないはず。

もう菊花賞や有馬記念のように４角で先団に取り付く(11)オルフェーヴルは見られないのではないか？　それでも天皇賞(春)のような流れ、ラップギアでいう「△３△６△２」消耗戦にならなければチャンスのある馬ではあるのだが、取りこぼす率は増えてくるはず。もはや、どんなに強くとも「死角なし」の馬ではない。

前年の宝塚記念勝ち馬(８)アーネストリーは、ここ２走が不可解な消極策。実はこれ、大目標たる宝塚記念でマークを緩くするために、わざと（意図的に）消極策を取っていたのではないかと勘繰りたくもなるのだが、どうだろう。「瞬５平７消０」のラップギアを見れば一目瞭然なのだが、貯めて切れる馬ではないことは陣営も理解したはずだし、今回は以前と同じ先行策にしてくるはず。

ならば前年の再現かというと、それもどうかと。たしかに(８)アーネストリーは前年の宝塚記念勝ち馬。しかし「瞬５平７消０」のラップギア適性値が示すとおり、基本的にはＧ１では瞬発力が足りないタイプだということを忘れてはならない。だから昨年は（前年の３着馬が好調をキープしているにも関わらず）６番人気だったのだ。前年勝ち馬であっても、Ｇ１では瞬発力不足という本質は変わらないと思う。

瞬発力といえば、超スローペースの２０１０年日本ダービーで上がり３ハロン３２秒７、キレにキレた(６)エイシンフラッシュ。どうもそのイメージが強くて３歳時は瞬発特化型と思っていたのだが、その後の成績を見るに、どうやらそうではないらしい。瞬発特化型ではなく、むしろ持久力勝負に向くタイプと考えたほうが良さそう。それを決定づけたのが２０１１年産経大阪杯、そして天皇賞(春)。その後も緩い流れで凡走しては締まったペースでの好走が続く。勝ち切れてこそいないが、十分な実績だ。

この宝塚記念というレースは、「好勝負しているのに好走止まり」という馬が、初Ｇ１のタイトルを取るのに適しているレース。要は他の中距離Ｇ１では瞬発力がちょっと足りない馬ということなのだが、特殊レースだった２０１０日本ダービーを除外して考えれば、(６)エイシンフラッシュこそまさにそのタイプではないのか？

あと１頭、気になるのが３歳馬の(４)マウントシャスタ。実はこれが意外とやれそうな気がしてならない。宝塚記念での３歳馬というと２００３年に日本ダービーを勝ったネオユニヴァースが２番人気４着、２００７年ダービー馬のウオッカが１番人気８着、同年ダービー２着馬のアサクサキングスが１１番人気１５着と良くないイメージはあるが、ダービーとは外れた組の３歳馬は２００２年３番人気３着ローエングリンなどの好走例がある。

いや、むしろイメージとしては１９９６年に３歳牝馬ながら１０番人気で４着に来たヒシナタリーか？　ヒシナタリーは重賞１勝のみの実績ながら、後方から最速の上がりでマヤノトップガンと０．３秒差、１歳上のオークス馬ダンスパートナー（３着）ともハナ差の競馬をしてみせた。

横綱競馬は無理だとしても、（ハンデ戦さながらの）軽量の３歳馬にはそれがある。Ｇ１を勝ち負けできるクラスの瞬発力を持つ馬が、これほどの恵量で出走できる機会はなかなかないのだ。ヒシナタリー的な末脚に魅力を感じて、(４)マウントシャスタに◎を打ってやろうと考えたりもしたのだが、何とかそれだけは思いとどまった次第である。



※印や金額は発走の約１時間前に確定。それまでは変更の可能性があります。
※適性値（ラップギア）や能力値（瞬発指数）について
http://lapgear.net/