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【TCK女王盃】レース展望


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【TCK女王盃】レース展望

 22日(水)に大井競馬場で、2020年に入って最初の交流重賞となる第23回TCK女王盃(交流GIII、4歳以上オープン、牝馬、別定、ダート・右1800メートル)が行われる。



 “交流重賞”といえばJRA勢が上位を独占するシーンをたびたび目撃するが、昨年の古馬牝馬戦線は地方所属馬の活躍が目立った。8つある牝馬重賞のうちJRA勢のワン・ツー・スリーは3つのみで、マリーンカップ(ラーゴブルー・川崎所属)、クイーン賞(クレイジーアクセル・大井所属)では地方所属馬によるVが実現している。果たして今年はどうか、注目の一戦を展望する。



★交流重賞2勝の実績が光るアンデスクイーン



 創設当初は地方所属馬の勝利も目立ったTCK女王盃だが、近年はJRA所属馬が7年連続Vを決めているだけに、まずはJRA勢の取捨選択がカギとなる。参戦5頭の中で実績面で頭ひとつ抜けた存在は、昨年、ブリーダーズゴールドC(交流GIII)→レディスプレリュード(交流GII)を連勝した実績が光るアンデスクイーン(栗東・西園正都厩舎、6歳)だろう。



 近走は8、5着と振るわないが、JBCクラシック(交流GI・8着)は牡馬の一線級を相手にしただけに仕方なく、クイーン賞(交流GIII・5着)は前残りの展開や馬場状態に泣かされた印象が強いだけに、巻き返せる余地は十分にありそう。



 「前走はちょっとポジションが後ろすぎた。それでも56キロを背負って、最後はよく差を詰めてきた。決して力負けではないし、この中間も順調にきている。実力を出し切れれば勝ち負けになるはず」と管理する西園正都調教師も期待を込める。



 2017、18、19年と3年連続でJRAリーディングを獲得し、新年を迎えてもいきなり重賞制覇(シンザン記念サンクテュエール)を決めるなど、すでに10勝を挙げているC.ルメール騎手との1年ぶりのコンビ復活にも期待したいところだ。



★抜群の安定感を誇るファッショニスタ



 交流重賞のタイトル獲得は昨夏のスパーキングレディーC(交流GIII)の1つのみだが、“連軸”という視点で探すなら、JRA勢の中でも一番の安定感を持っているファッショニスタ(栗東・安田隆行厩舎、6歳)に注目が集まる。



 デビューからここまで18戦のキャリアで【6.8.2.2】と2度しか複勝圏を外したことがなく、5戦した2019年は1、2、1、2、3着と常に上位争いに絡む走りを見せている。特に昨年後半は、南関東で行われた交流重賞戦線を使われてきただけに、今回の舞台も望むところだ。



 激戦となったJBCレディスクラシック以来、2カ月半ぶりの実戦となるが、この中間も意欲的に追われており、12日には栗東・坂路で4F53秒0-1F11秒8をマークして採点7となっているだけに、今回も大崩れなく力を発揮してくれる可能性は高い。



 安田隆行調教師は「6歳だし、特に状態は変わりありません。大崩れしない馬ですが、成績が安定しているというよりも、勝ち切れないという感じ。もう少し決め手が出てきてほしい気がするし、勝つためには展開などの助けも欲しいですね」と控え目だが、一度波に乗れば連勝街道を歩んでも不思議ではないだろう。



★南関の名手とコンビ継続で初タイトル狙うマドラスチェック



 昨夏の関東オークス(交流GII)で2馬身差の2着と、初タイトル獲得まであと一歩のところまでいったマドラスチェック(美浦・斎藤誠厩舎、4歳)が、前走に引き続き南関東の名手・森泰斗騎手とのコンビ継続で重賞初制覇を狙う。



 管理する斎藤誠調教師は「中間はここを目標にして、十分に乗り込んでいます。ここ2走は砂をかぶって走るのをやめてしまった感じなので、キックバックを受けるかたちのけいこも積んできましたが、だいぶ耐えられるようになってきています。デキは申し分ないし、能力はある馬なので、あとはスムーズな競馬ができれば」とコメント。



 年長馬との初対決となった2走前のスパーキングレディーC(交流GIII)は4着、続くレディスプレリュード(交流GII)は8着と、同じ3歳馬が相手だった時のような結果は出ていないが、伸び盛りの明け4歳ということで、ひと息入れての成長に期待したい。



トーセンガーネットはブリンカー着用での一変を期待



 4歳初戦となるトーセンガーネット(美浦・小笠倫弘厩舎、4歳)は、南関東に所属していた昨春に牝馬クラシック二冠(桜花賞、東京プリンセス賞)を制した左海誠二騎手とのコンビで、完全復活を目指す。



 「期待していた前走が案外な結果でしたが、この中間も具合はすごくいいですからね。今回はブリンカーを着用する予定ですし、変わり身に期待しています」と小笠倫弘調教師。



 JRA移籍後の3戦は2ケタ着順が続いており「南関東のダートなら」と注目された前走のクイーン賞(交流GIII)でも見せ場なく10着に敗れているだけに、なかなか復調の糸口が見当たらない現状だが、何とかきっかけが欲しいところ。関東オークス3着の実績があるだけに、能力自体はここでも通用していいはずだ。



★再度のJRA勢撃破で交流重賞V2狙うクレイジーアクセル



 前走のクイーン賞(交流GIII)で2着以下に2馬身半差をつける逃げ切り勝ちを決め、5度目の挑戦で初の交流重賞タイトルを獲得した地元・大井のクレイジーアクセル(大井・渡邉和雄厩舎、5歳)が、自分の形を貫いて再度のJRA勢撃破を狙う。



 逃げてこそ本領を発揮するタイプだけに、今回も取るべき戦法はひとつ。幸いにも必要以上に絡んできそうな強力な先行力を持つライバルはいないだけに、ハナを奪ってみずからペースを作る展開に持っていくことは叶いそう。前走の走りがあるだけに後続が早く動くことも予想されるが、目下の充実ぶりなら粘れてもいいのではないか。



 強気に前々での勝負を挑んでくるライバルがいるとすれば、JRAからの移籍初戦となるサルサディオーネ(大井・堀千亜樹厩舎、6歳)か。成績にムラがある上に、近走は不振だっただけに簡単ではなさそうだが、新天地で気分一新、初コンビとなる赤岡修次騎手の手綱捌きにも注目したい。



 JRAに所属していた2018年にTCK女王盃を制しているミッシングリンク(浦和・小久保智厩舎、6歳)も、当時と同じだけ走れるなら通用していい一頭。南関東移籍後は6戦未勝利だが、昨秋もJBCレディスクラシック(交流GI)5着、クイーン賞(交流GIII)4着と衰えのないところを見せているだけに、まだまだ見限れないだろう。



 最後にもう一頭挙げるなら、ここにきての勢いが目立つサンルイビル(大井・阪本一栄厩舎、5歳)か。JRAで3戦未勝利と結果を出せず、佐賀を経て現在の大井にたどり着いた紆余曲折の経歴があるが、昨年後半に5連勝と軌道に乗ると、シンデレラマイルトライアルを制し、重賞初挑戦となった東京シンデレラマイルも勝ち馬とクビ+クビ差の3着と見せ場を作った。さらに相手が強くなるが、勢いを買ってみたい一頭だ。

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